25話 ページ25
「あら、どうしましたか?」
無一郎と不死川の背後から声がした。
ばっと振り向くとそこにはにこにこと微笑みを湛えた胡蝶の姿があった。
腰に刀を差していることから任務帰りであることが窺える。
隊服に土汚れひとつ付けずに帰ってくるとは流石は蟲柱様。
「見たところお二人共怪我をしている様子ではなさそうですね…自分のお屋敷でゆっくりすることをお勧めします。」(訳 : はよ帰れ)
「怪我はしてないんですけどね…心の癒しが必要で。」(訳 : Aに会いに来ました)
無一郎と胡蝶は笑顔で火花をバチバチに散らしていた。
めんどくせぇ奴らだな。(※不死川の心の声)
「僕の心が潤いを求めているんです。通してください。」
「あらあら、なら私が潤してあげますよ。物理的に。」
物理的に心を潤すって…心臓にでも水ぶっかけんのか…と不死川は身震いした。
あの胡蝶ならやりかねない。笑顔を湛えながら心臓を取り出して水かけてもおかしくない。(超失礼)
「しのぶ姉様…?」
笑顔で火花を散らしていた二人の争いに終止符が打たれた。
それは今まさに会話の中心人物だった者が、ガラリと蝶屋敷の門を開いて顔を覗かせたからだ。
「お、おかえりなさい!
…あ、むいちゃん…!」
「ん''ん''ん''」
無一郎の姿を捉えるや否やパァァっと顔を綻ばせたA。
無一郎が窒息寸前に陥ったことは言うまでもないだろう。
そして胡蝶がシュッシュッと拳を青筋立てていたことも言うまでもない。
「あ、えと……えっと…おはようございます、風柱様…。」
Aは不死川の存在に気づいた瞬間、サッと門の影に身を潜めた。流石にこの場からいなくなるのは失礼だと思ったのかその場から逃げ出すことはなかった。
胡蝶はAの頭を優しく撫でて挨拶できて偉いですねぇ、とAのことをただただ褒めちぎっていた。
胡蝶がとんだ姉馬鹿であることは一目瞭然。
「……おォ。」
元々子供好きの不死川。
Aに怖がられている事実を目の当たりにして地味にショックを受けている様子。
「(やっぱこの傷が駄目なのかァ…それとも顔が怖すぎるのか…それとも(※以下略))」
934人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ピクルス - 号泣 (2020年9月9日 14時) (レス) id: 2a7c012e78 (このIDを非表示/違反報告)
ピクルス - うわぁぁぁぁぁぁぁあん!無一郎くん死なないでぇぇぁえぇぇぇぁあぇぁあええ (2020年9月9日 14時) (レス) id: 2a7c012e78 (このIDを非表示/違反報告)
白霞(プロフ) - わたぬきくん。さん» お祝いのお言葉ありがとうございます!そのように言って頂けて嬉しい限りでございます!最後までお付き合いくださりありがとうございました! (2020年8月30日 10時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)
わたぬきくん。(プロフ) - テスト期間終わってきたら完結してた…ああもう号泣です!完結おめでとうございます!(泣) (2020年8月29日 14時) (レス) id: 9e97a6dad3 (このIDを非表示/違反報告)
白霞(プロフ) - リムさん» お祝いのお言葉と応援のお言葉ありがとうございます!そのように言って頂けて光栄の極みでございます…!本当に感謝の限りです。最後までお付き合いくださりありがとうございました! (2020年8月27日 0時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:白霞 | 作成日時:2020年7月23日 20時