23話 ページ23
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「でさ、洗濯物干してる姿まで可愛いの。これもう犯罪だと思わない?」
「…おー。」
無一郎と不死川は折角なので朝餉をその辺りで済ませてしまおう、という雰囲気になり近くの定食屋に足を運んだ。
この時間だと定食屋もだいぶ込み合っており、辺りはザワザワと賑わっていた。
「…お前本当に胡蝶ンとこの奴が好きなんだなァ。」
「もうそれはそれは。僕の心はあの子に奪われてるからね。」
「そうかィ。」
不死川は白米を掻き込むと、周りにお花を漂わせている無一郎を一瞥した。
「…それで、お前は女って偽ってんだっけかァ?」
「そう。僕むいちゃん。」
「………………そうか。」
それ他の隊士が聞いたらどうすんだよ…と不死川は溜め息を零した。
あの冷酷でかなーり無慈悲な霞柱が蝶屋敷で働く女の子に首ったけで、自身のことを女の子と偽ってまでお近付きになろうとしているだなんて…。
それを知られて無一郎が舐められないのか不死川は少し不安でもあった。
しかしそんなの杞憂だったようで。
「別にバレたって問題ないよ。僕はやるべきことはやってるんだから。僕のことどうこう言ってる暇があったらさっさと鍛錬させれば良いじゃん。」
…強い。霞柱、強し。
こりゃ心配する必要もねぇわ…と不死川は苦笑して味噌汁を啜った。
「でも女って偽ったままだといつまでもお友達止まりになるぞォ。」
「……そうなんだよね…。」
無一郎は頭を抱えて大きな大きな溜め息を零した。
「…もういっその事女の子のままで恋愛しちゃ駄目かな…?」
「……それは相手によるんじゃねェか…?」
「ですよねぇ……。」
ううっ、と声を出しただの箸置きをぼーっと見つめる無一郎。
「A…。」
「時透、それは箸置きだ。」
「A…。」
「胡蝶のとこで診て貰うか?」
「喜んで。」
「元気だな、問題ねェよ。」
俺こいつの執着心怖ぇよ。
好きな女の為に自分のことを女って偽るって普通にできることじゃねぇよ。
【朗報】不死川に怖いものができる
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ピクルス - 号泣 (2020年9月9日 14時) (レス) id: 2a7c012e78 (このIDを非表示/違反報告)
ピクルス - うわぁぁぁぁぁぁぁあん!無一郎くん死なないでぇぇぁえぇぇぇぁあぇぁあええ (2020年9月9日 14時) (レス) id: 2a7c012e78 (このIDを非表示/違反報告)
白霞(プロフ) - わたぬきくん。さん» お祝いのお言葉ありがとうございます!そのように言って頂けて嬉しい限りでございます!最後までお付き合いくださりありがとうございました! (2020年8月30日 10時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)
わたぬきくん。(プロフ) - テスト期間終わってきたら完結してた…ああもう号泣です!完結おめでとうございます!(泣) (2020年8月29日 14時) (レス) id: 9e97a6dad3 (このIDを非表示/違反報告)
白霞(プロフ) - リムさん» お祝いのお言葉と応援のお言葉ありがとうございます!そのように言って頂けて光栄の極みでございます…!本当に感謝の限りです。最後までお付き合いくださりありがとうございました! (2020年8月27日 0時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白霞 | 作成日時:2020年7月23日 20時