側近は電脳少女 ２

データ31 ページ33

閉じ込められてから、もう何時間、何日経ったのか。




私が閉じ込められているのは志賀直哉の執務室のパソコン。



彼が情報部にいる時には自由だ。





閉じ込められたファイル内、限定の話だが。









おそらく彼の異能は、特定の空間に人を閉じ込められること。





どれだけあがいても、
どれだけ手を尽くしても、





ここからは出られない。






このまま、電子媒体のまま・・・




年もとらず、死ぬこともなく、志賀直哉とずっと一緒・・・








それこそ永遠の拘束を意味する。





イヤだ・・・。
帰りたい・・・。




怖いよ・・・中也さん。




こうしてこの空間に体育座りをするばかりだ。








なぜ、もっと早くにおかしいと気づかなかったのか。

なぜ、マフィアのパソコンに侵入なんてできたのか。



簡単だ。



内部の人間が犯人なのだから。





なぜ、あの時マフィア内の人間を疑わなかったのか。




後悔しても、もう遅い。






どこにも繋がらないひとりぼっちの空間で、




このまま何十年と過ごす・・・









電子媒体のなのに・・・


涙がでるのは、どうしてなのかな・・・









志「やぁ、ただいま。ちゃんと良い子に待っていたかい？メルロ」


志賀直哉が帰ってきた。

正直、全く嬉しくない。


『・・・気安く呼ばないで。私を返して』


画面越しに、せめてもの抵抗で睨み、不機嫌に接する。

そんな反応ですら、志賀直哉にとっては愉快なものなのかもしれない。



嬉しそうに、こう言い放った。




志「そう怒らないで。僕らの愛の巣にお引越しだよ」

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