やっぱり女の子です。 ページ25
「……あなた何言ってるの?」
哀ちゃんは私の言ったことが図星だったのか少し涙目になっている。
泣かせるつもりはなかったんだけどな…
「……私も今の哀ちゃんみたいに気持ちがすごく沈んだことあるの。」
「……わ、私は沈んでなんかないわよっ!!」
「そっかぁ……でも、それじゃあその涙は何?」
「ーーっ!!」
私は溢れそうになっている涙を指で拭ってあげた。
いつも降谷さんが落ち込んだ私にしてくれるように。
「私もね、すごく大事だった人とお別れしたことあるの。」
「………お別れって…」
「うん、もう一生会えないんだ。その時はね、私は起きている事実に信じられなくて涙すらでなかったの。」
「…………。」
信じられなかった。
トリップしたことに。大切な蒼とも一生会えなくなることに。
夢でも見てるのかと何度も思った。
「……でもね、今はもう大丈夫なの。まぁ、たしかに会いたいなって思うことはあるよ。」
「………。」
「けど、そう思うたびに手をさし伸ばしてくれる人がいてね、1人じゃないって思わせてくれる人がいるの。」
「……それは、どんな人?」
「んー、そうだなぁ、優しくて、強くて、でもちょっと意地悪かなぁ。」
意地悪に関してはちょっとどころじゃないかもしれないけど…
「今はね、その人が私の居場所。あの人がいなかったら私はきっと今こうして笑ってない。」
「………。」
「だからね、哀ちゃんもそんな人を見つけられるといいね。そうして笑ってくれるようになったら私は嬉しいな。」
「……そんな人私にはいないもの…」
「いるよ絶対。大丈夫私が保証する。」
私は寂しくて悲しい顔をする哀ちゃんの両手で手を握りしめた。
「大丈夫。……助けを求めればきっと手を取ってくれる人はいるよ。」
「……っ…。」
握りしめた両手には小さな雫が零れていた。
大人びているとはいえやっぱり女の子だね。
なんか一方的に喋っちゃったけど私は少しでも力になれたのだろうか。
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青龍 葵(プロフ) - 脱字があります!「すぐ帰ります」で「…ちょっと○○そんに会って欲しい奴がいるんだ」の『○○そんに』とは何でしょうか? (2018年7月26日 17時) (レス) id: 970e92a440 (このIDを非表示/違反報告)
祐(プロフ) - 零さん» 返事おくれました!嬉しいコメントありがとうございます!頑張ります! (2017年5月7日 23時) (レス) id: fb8724423b (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - いつも楽しみに読んでます!!続編も頑張って下さい! (2017年4月30日 21時) (レス) id: f4f2fc359b (このIDを非表示/違反報告)
祐(プロフ) - 唯さん» ありがとうございます! (2017年4月30日 19時) (レス) id: a2b81a1195 (このIDを非表示/違反報告)
唯 - とっても面白いです!!更新頑張って下さい (2017年4月25日 3時) (レス) id: 0cdca89a6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:祐 | 作成日時:2017年3月30日 23時