第７話 ページ8
誠也「お嬢様」
部屋を出ると誠也が両手を広げてくれたから
ﾄﾞﾝｯ
A「っ･･･社長っ、泣いちゃった･･･っ、私がっ･･･引退するって言ったらっ、ぅ、でもっ、応援してくれたっ･･･っ！」
誠也「はい、社長はそういうお方です･･･よく泣きませんでしたね｣
A「私が泣いたらっ、社長が困るからっ･･･｣
誠也「ですがそんなに唇を噛んでは切れてしまいます、切り替えてください」
A「ん･･･」
大丈夫、落ち着け私･･･
ここからは泣いちゃいけない
今日の主役は私･･･
涙なんて見せちゃいけないのよ･･･
A「ｽｩ･･･ﾌｩ･･･ありがと、行きましょ」
誠也「はい」
会場に戻っておじいちゃんとママを探してると
「そこのお嬢さん、俺たちとお話ししませんか？」
汚い目･･･ベールをしてても目線が顔より下に行ってるのがわかる
A「ごめんなさい、これから会わなきゃいけない人がいるの」
誠也「行きましょう」
A「ええ」
A「そういえば今日は髪型変えてるのね」
誠也「一応顔見知り対策です」
A「ふふっ、いつもよりカッコいい」
誠也「ありがたきお言葉」
私は顔が見えない、誠也もいつも顔が見えるようにワックスで固めてる髪を下ろして片目が少し隠れてるのに･･･
「あっ！千凄いっ！ほんとにAちゃんと誠也さんだ〜！」
「やぁ、こんばんは、二人もパーティーに呼ばれてたのかい？」
A「･･･どうしてわかった？誠也はいつもと違うし、ましてや私は顔が見えない」
千「顔が見えなくてもわかるよ、Aの事は、ね」
A「オイコラどこ見て私だとわかった」
千「それはAの豊満な」
A「それ以上言ったらブッ飛ばす」
千「怖い怖い、そんな冗談は置いといてAも呼ばれたのかい？」
A「･･･まぁね」
千「･･･何を隠してるの」
A「っ！･･･ほんと、なんで顔見えてないのにそんなことまでわかるのかなぁ･･･」
千「それはAへの愛のお陰だよ」
A「っ／／／･･･よくそんなこと･･･でも後でわかることだから、それまでのお楽しみ、それじゃ」
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作者名：さっちゃん | 作成日時：2016年12月3日 1時
