第２２話 大和side ページ23
ー大和sideー
A「いつかは真実がわかるかもね･･･」
そう言ったAは辛そうな顔をして、唇を噛んでいた･･･
悪いこと聞いたか･･･
ﾎﾟﾝﾎﾟﾝ
A「大和･･･？」
大和「悪いな、嫌なこと聞いたみたいで」
A「っ！」
困った顔をして頬笑むAは
A「お互い様だよ、大和にも秘密、あるでしょ
私もまだ隠してる事、沢山あるから･･･」
大和「っ！」
なんて儚いんだろう･･･
こんな、今にも消えてしまいそうなAを見たのは初めてだ･･･
俺は優しく、凛々しい目をして笑うAしか知らなかった
･･･知りたい、色んなAを･･･
大和「･･･らしくねぇ･･･」
A「ん？」
大和「いや･･･A、外出ないか？少し酔ったみたいだ」
A「･･･わかった、こっちよ」
Aに案内されてきたのは･･･
大和「すげぇな･･･」
A「全部お祖母様が育ててた植物なの･･･今も大事に皆で育ててるの･･･」
大和「ばあさんは？」
A「７年前病気で亡くなったわ･･･」
大和「そうか･･･なぁ、ここら辺全部この花なのか？」
A「ええ、ポインセチア、クリスマスはいつもここから花を摘んで家でおばあ様が生けてくれたわ･･･懐かしい」
Aがひとつ花を摘んで、優しい顔をして花を眺めてる･･･
そんな姿さえも綺麗だ･･･
A「･･･ここにいると嫌なことも、全部暖かく包んでくれてる気がして癒されるの、そう思わない」
嫌なこと、全部･･･
大和「･･･そうだな」
A「聞きたいことがあるんでしょう？」
大和「なんでわかった･･･」
A「わかるよ、そんな顔してたら･･･交換条件、大和の事教えてくれるなら話してあげる」
そう来たか･･･
俺の事情はなぁ･･･
大和「いや、お互い話したくないことだしいいよ」
A「そ、ならいいわ、ここはあまり人も来ないからゆっくりしてなさいな、私はホールに戻るわ、それじゃ」
そう言って俺に背を向けて歩いていくA
こうやって見てると、本当に手の届かない存在なんだって実感するなぁ
俺は･･･この人を好きになって良かったのか･･･？
ー大和side終ー
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作者名：さっちゃん | 作成日時：2016年12月3日 1時
