今日から始まる。5 黒×紫

大倉side 207 ページ9

ずっと俺の話を受け流していた丸が振り返った。



「うん………あのっ、あれやで！
一緒に暮らそってのは、ほら、あの、シェアってやつ！！
いつもいろいろ相談してるやん、店のことでさ！
で、電話とかも多いから、それなら同じとこに住めば、いつでも話せるかなって……」



目が合って、急に恥ずかしくなって、言葉を返すものの、上手く言葉が出ない。
黙って俺の顔を見る丸。
なんか言うてよ、変に気まずいから。



「ごめんっ、そんなん、俺の都合やんなっ……仕事終わってからも、仕事の話とかしたないよな……」



言うたものの、恥ずかし過ぎて、1人で勝手に早口で話して、勝手に話をまとめようとした。
俺の顔を見たまま動かない丸。
何か言うてよ、お願いやから！



「んー………せやなぁ………まぁ…家賃安い方が楽やし、隣のマンションならゆっくり寝れるしなぁ………ええ話かもなぁ…」



そう言ってへらっと笑ってくれた。
その顔に胸が締め付けられて、嬉しくなった。



「ほんまに？！ええの？！俺と？！」

「あー、おん……お前との付き合い長いし、そんな気ぃ使うことないしな」

「よっしゃ！やったぁ！！」

「そんな喜ぶことかぁ？」



はしゃぐ俺に首を傾げて、またパソコンと向き合った。

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