横side 222 ページ24
信五の頭の下に氷枕を置いてやると目が覚めたらしく、弱々しい声で呼ばれた。
「きみぃ………しんどぃ……」
「熱あるからな、今日は大人しくしとけ」
「きみ……仕事……行くの……」
小さい声でそう言われた。
休みたいけど、まさか同性の嫁が熱を出して……なんて言えるわけないし、しかも傍から見れば、信五は立派な成人。
記憶が乏しいなんて見た目ではわからへん。
小さい子供が熱を出したなら休めるかもしれんけど、子供みたいな大人が熱を出したなんていう理由では、辛いけれど社会は簡単に許してくれへん。
「行かなあかんな」
「嫌やぁ……行かんといてぇ……嫌やぁ……」
いつもより開いてない二重の目からポロポロと涙がこぼれ落ちた。
そして間もなく、ズビズビと鼻を鳴らして泣き出した。
「嫌ぁ……うぇっ…傍におってぇ………」
「俺も行きたないねんで………でも……簡単に仕事休まれへんねん……」
「嫌やぁ…おってぇ………」
いつもは聞き分けがいいのに、今日は珍しくわがままで、ぐずついている。
いつもと違うけど、それは単なる甘えやろうと考えていた。
「………遅れて行けるか電話してみる」
「……寂しぃ…」
頭を撫でて、そばに置いてあった携帯を手にして、信五のもとを離れた。
217人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
じーな(プロフ) - 応援人さん» いつも有難うございます!!本当に一言頂けるだけで励みになります!! (2018年7月26日 22時) (レス) id: 16ef9f1163 (このIDを非表示/違反報告)
応援人 - そうですねwきっとお二人共、いいおかんでしょうね!!!!!!! 更新頑張ってください!!!!!!!応援しています!!!!!!! (2018年7月26日 21時) (レス) id: dac8270f0f (このIDを非表示/違反報告)
じーな(プロフ) - 応援人さん» こんばんわ!!実際はどんな方かは存じ上げませんが、多分実際の信ちゃんママも、もっと大阪のオカンですよねwww (2018年7月25日 22時) (レス) id: 16ef9f1163 (このIDを非表示/違反報告)
応援人 - ヨコヒナのおかん方、かわいい♪♪ (2018年7月25日 22時) (レス) id: dac8270f0f (このIDを非表示/違反報告)
じーな(プロフ) - 応援人さん» こんばんは!いつもありがとうございます!これからは少し困難続きかもしれないです…… (2018年7月16日 23時) (レス) id: 16ef9f1163 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:じーな | 作成日時:2018年4月18日 0時