7人の虎にはご注意を。#3【Travis Japan】 (ページ49)

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Another Story～渡辺翔太～ページ49

ある日のこと。

私は松倉海斗の手が荒れていることを気にかけていた。

そこで、美容に詳しいSnowManの渡辺翔太くんにオススメのハンドクリームを聞く。

"いきなりすみません。オススメのハンドクリームとかってありますか？"

"あるよ。もし良かったら一緒に買いに行く？"

こうして私は渡辺くんと二人で原宿にお買い物をすることになった。

「すみません、渡辺くん忙しいのにわざわざ」

渡辺「いやそれは全然いいんだけどさ。渡辺くんやめない？慣れないんだよね(笑)」

彼はそう言ってぎこちなく笑う。

「じゃあ翔太くん…で」

渡辺「お、おお。いいね」

「何がいいんですか(笑)」

彼はスタイルが良く、オーラもあるためいくら変装しても原宿で目立ちまくっていた。

「翔太くん、めっちゃ見られてますよ」

渡辺「俺じゃないよ！Aだから！(笑)」

どう考えても翔太くんだ。

渡辺「あ、その店寄っていい？」

彼は美容ケアがたくさん並んでいる店を指差す。

「はい。行きましょう」

流石美容に詳しいだけあって、少し質問すると倍の量で答えてくれた。

渡辺「A、肌めっちゃ綺麗だよね」

そう言って翔太くんはなんの前触れもなく私の頬をスリスリと撫でる。

渡辺「ほら、めっちゃ気持ちいいし。…って、ごめん！！」

顔を真っ赤にし、一瞬にして私から距離を取った。

「大丈夫ですよ」

渡辺「なんでそんなに平常心保ててるの！」

「メンバーによくやられるんで」

頬を触られるなんて日常茶飯事だ。

渡辺「本当にトラビスは仲良いよね」

「はい」

・

お目当てのハンドクリームも買い終わり、私たちは駅に向かう。

その道中、翔太くんは突然立ち止まった。

「どうかしました？」

渡辺「はい、これ」

渡されたのは袋。

その中にはピンク色のリップグロスが入っていた。

「え、これ…」

渡辺「Aに似合いそうだなって思って買っちゃった」

「貰えませんよ！」

渡辺「いいから！今日すんごい楽しかったから。そのお礼」

お礼するのはこっちだと言うのに貰ってもいいのだろうか。

渡辺「トラビスが羨ましくなったよ」

「え？」

渡辺「また誘って」

翔太くんは優しく微笑むと今度は意図的に私の頬を撫でる。

優しい瞳で見つめられ、私は思わず目を逸らした。