7人の虎にはご注意を。#3【Travis Japan】 (ページ40)

今日:5 hit、昨日:30 hit、合計:439,905 hit

°Tiger119 俺好みページ40

撮影は夕方に終わった。

楽屋に戻り、帰る準備をしていると、元太がこちらに寄ってくる。

松田「A、夕飯にはまだ早いからちょっと買い物付き合ってよ」

「いいよ」

中村「A」

私の名前を呼び、うみは子犬のような顔でこちらを見つめていた。

「どうしたの？」

中村「…」

「うみんちゅ？」

中村「なんでもない」

ふいっと顔を逸らし、戻っていってしまう。

明らかに何か言おうとしていたのに。

松田「よし、いくぞー！」

「おー！」

私たちは買い物へと向かった。

・

松田「ちょー似合うじゃん」

数時間後。

なぜか元太は男物ではなく女性の服ばかり見ていた。

そして私に試着させてはベタベタに褒めてくれる。

「元太？服買うんじゃなかったの？」

松田「Aに服買うために来たんだよ」

「え、私の？何で？」

松田「クリスマスプレゼント！」

爽やかな笑顔でそう言うと、彼はまた服を選びに行ってしまう。

しばらくしてニットのワンピースを持って来た。

「いいよ、お返しなんて」

松田「俺があげたいからあげるの！」

「でも」

松田「Aを俺好みにしたいから」

ワンピースを押し付けられ、私はまた試着をする。

「…どう？」

カーテンを開け、一周回ってみた。

松田「え、超可愛いじゃん。全部可愛いんだけど。似合い過ぎてる。世界一可愛い」

元太は本当によく褒めてくれる。

彼の彼女になる人はきっと幸せだろう。

松田「こっちも着せたいなあ。あ、でもこっちも…」

真剣に選んでくれてる姿を見て、なんだか微笑ましくなった。

「可愛いね、元太」

松田「は！？急になんだよ」

「思ったから言っただけ」

松田「うっざいわー！」

彼は顔を真っ赤にし、また選びに行ってしまった。

本当に彼の表情は分かりやすい。

松田「よし決まった！着替えて待ってて」

どうやら私へのクリスマスプレゼントが決まったらしい。

元太は嬉々とした表情でレジへと向かった。