7人の虎にはご注意を。#3【Travis Japan】 (ページ27)

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°Tiger106 友情と愛情ページ27

松田side

俺は後ろを振り返る。

そこにはタオルを首にかけた松倉が立っていた。

松田「松倉」

「違うの！海斗！」

Aは慌てた様子で俺を突き放し、松倉に駆け寄った。

松田「(ねえ、やっぱり俺より松倉なの？)」

「いつもみたいに二人でじゃれてただけ！」

松倉「ほんと？」

「ほんと！」

幸い、松倉は俺がAにキスしたところは見ていなかったらしい。

まあ、別に見られても良かったんだけど。

松倉「ならいいけどさ」

「じゃあ、私お風呂入ってくるね」

Aはタオルとパジャマを持つとお風呂場に入って行った。

松田「俺さ」

松倉「ん？」

鞄から水を取り出しながら、松倉は横目でこちらを見る。

松田「ずっと前からAに片想いしてるんだよね」

松倉「…」

彼の動きが止まった。

水を持ったまま何か言おうと考えている。

松田「松倉もでしょ？俺、知ってるんだから」

松倉「…そう」

どうして好きな女の子が被ってしまったのだろう。

大切な友達に大切な女の子。

俺は

松田「Aだけは譲りたくない、誰にも」

松倉「……うん、俺もだよ」

松倉は机に水を置くとこちらに近づいてくる。

松倉「俺は元太も好き。でも、だからと言って身を引くことはできない」

純粋な目。

本当に真っ直ぐ自分に正直に生きているんだ。

信念を持って。

松田「俺も松倉のこと好きだよ」

松倉「知ってる(笑)」

松田「何それ(笑)」

ねえ、A。

貴方には好きな人がいますか？

貴方のことを好きな人はこんなにもいます。

ねえ、A。

俺を選んでくれませんか。

松田「…」

いつも俺に笑いかけてくれる彼女を思い出し、俺はそっと微笑む。

俺は彼女の全てが好き。

みんなに優しいところ。

誰もいないところでダンスの練習をしているところ。

おバカなところ。

メンバーを大切にしているところ。

宮近にやたらとデレデレするところ。

海人の機嫌が悪いのを察するとケーキを買ってくるところ。

しめのことが好きすぎるところ。

閑也に甘えるところ。

如恵留くんに勉強を教わったのに1日で忘れるところ。

松倉とめちゃくちゃ仲良しなところ。

そして、

俺に向ける柔らかい表情。

全部、

愛してる。