7人の虎にはご注意を。#2【Travis Japan 】 (ページ20)

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°Tiger59 ヒミツページ20

川島「みんなは何食べたい？」

すっかり外は暗くなっていた。

私たちは周りの邪魔にならないよう8人で渋谷の街を歩く。

先頭には如恵留くんとちゃか。

その後ろにしめしず。そして松松。

最後尾は私とうみだ。

七五三掛「肉の気分かも」

松倉「俺も」

川島「じゃあハンバーグとかにしますか？」

松田「決定！」

如恵留くんは食べるものが決まるとすぐにスマホを出し、店を調べてくれる。

川島「この近くにあるみたい。しかも個室あり」

宮近「じゃあそこにしよう」

私たちはハンバーグ屋に向かって歩き出した。

中村「A」

無言で歩いているとうみは小声で話しかけくる。

「ん？」

中村「さっき閑也と二人で何話してたの？」

「あー！シズの連絡先を欲しがってるモデルさんがいたの」

私がそう言うと彼は興味津々な顔をした。

中村「へぇ～いいじゃん。交換するって？」

「しないって」

中村「え、なんで？もったいない」

うみは一瞬目を大きく開き、心底驚いたという表情をする。

「私が言ったの。交換しないでって」

中村「え、なんでさ」

「んー、なんか嫌だったから」

正直に答えると彼は「そっか」と呟いた。

中村「じゃあ、もし俺が女の子に連絡先交換したいって言われたらAは嫌？」

「どうかな？その時によるかも(笑)」

中村「そこは嫌って即答するとこでしょ」

うみは可愛らしく頬を膨らませる。

しばらくまた無言で歩いていた。

もう直ぐ着くだろうか。

そんなことを考えているとうみが私の手を握ってきた。

「えっ」

中村「しーっ！みんなに気づかれちゃうでしょ？」

彼と私は恋人のように掌を絡ませる。

「どうして手繋ぐの？」

中村「なんでだと思う？」

「分からないから聞いてる」

中村「秘密」

握られた手はうみのコートのポケットにしまわれた。

中村「俺のこと好きになればいいのに」

「誰が？」

中村「秘密」

また、秘密だ。

ポケットの中でうみの握る力は強くなる。

松田「あー！手繋いでる！」

いきなり後ろを振り返った元太が目ざとく発見し、大きな声を出した。

全員がこちらを振り向き、非難する。

それでもうみは意地でも手を離さなかった。