7人の虎にはご注意を。#2【Travis Japan 】 (ページ15)

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°Tiger54 形勢逆転ページ15

「はい、これ」

私がプレゼントを海斗に差し出すと彼は潤んだ瞳をまんまるにさせた。

松倉「え、何これ？」

「海斗にプレゼント」

松倉「なん…で？」

心底意味が分からない。

そういう顔をしている。

「海斗、最近手の荒れが酷いでしょ？だから翔太君にオススメのハンドクリーム教えてもらったんだ」

翔太君は美容に詳しい。

オススメを聞くと忙しいのに一緒に買いに行くと言ってくれた。

松倉「だから翔太君と？」

「そうだよ(笑)」

松倉「俺のために…？」

海斗は私から袋を受け取るとそれをギューっと抱きしめる。

「潰れるよ(笑)」

松倉「嬉しすぎて無理…俺、勘違いしてた…本当バカだ」

「何が？(笑)」

これは喜んでくれているのだろう。

プレゼントして良かった。

翔太君に本当に感謝だ。

「痛いのは治った？」

泣き止んだ彼に私は問う。

松倉「なんか…苦しい」

「え！？今度は苦しいの？病院いく！？」

本気で心配しているのに海斗はなぜか大爆笑している。

「え？元気なの？」

松倉「元気だよ(笑)これは俺の気持ちの問題だから」

不意に真剣な表情をし、優しく微笑んだ。

「(っ…そんな顔初めてみた)」

今まで見たことのない表情をする彼に私は少しドキッとしてしまう。

相手はただの松倉海斗なんだから。

ドキドキしない。

ドキドキしない。

そう自分に言い聞かせる。

松倉「A？」

あれ？

よく見たら海斗ってめちゃめちゃカッコよくないか？

綺麗な二重幅にぷっくりとした涙袋。

口角の上がった綺麗な形の唇。

それにゴツゴツとした大きな手に鍛えられた身体。

松倉「どうした？」

「あ、いや…あの…」

何意識してるんだ私は。

海斗は不思議そうな顔をし、そのまま大きな掌が私の頬に触れる。

「っ！？」

松倉「え？お前なんか熱くない？」

「そ、そ、そんなことないと思うけどね！？」

柄にもなく動揺してしまう。

海斗は小さい時から赤ちゃんみたいな顔の年上の男の子だった。

今、目の前にあるのは抜群に整っている海斗の顔。

「(カッコ良すぎるよ)」

なんて絶対口には出せるわけがない。