7人の虎にはご注意を。#2【Travis Japan 】 (ページ12)

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°Tiger51 男のひとページ12

「コーラ」

私は自販機のボタンを押す。

「あとは水か」

松田「A～！」

名前を呼ばれた方向を見ると、元太が犬のようにこちらに走って来ていた。

なぜだろう、尻尾の残像が見える。

「元太も何か欲しかった？」

松田「ううん。Aのこと独り占めできるかなって」

「何それ(笑)」

彼はニコニコとずっと私の顔を見つめていた。

「…なんかついてる？」

松田「今日も可愛いなって思っただけ！」

ガブリ。

私の肩に噛みつく元太。

やっぱり犬だ。

「こら！(笑)」

ガブガブガブガブ。

元太もうみに似てかまってちゃんなところがある。

「こーら！」

松田「はーい」

彼は手を上げ、可愛く返事をする。

返事だけは一丁前だ。

松田「あと何買うの？」

「うみんちゅの水と自分の水」

松田「俺が買うよ！」

「いやいいよ」

いいから、いいからと元太は水を買ってくれた。

「ありがとう」

松田「俺偉い？」

「偉い偉い」

松田「撫でて！」

彼は時々年下のように甘えてくることがある。

私は愛おしいと思いながら元太のサラサラな髪をわしゃわしゃ撫でた。

松田「やった～。Aに撫でられたぁ」

か、可愛い。

無邪気な笑顔で微笑まられ、私の胸は鷲掴みされる。

松田「あ、俺持つから」

元太は水とコーラを片腕に抱えると、もう片方の手をこちらに差し出してきた。

「また手繋ぐの？」

松田「俺、手繋ぐの好きだもん。だめ？」

「だめじゃないです」

そんな可愛くおねだりされたら断れるわけがない。

松田「俺さ、すっごい嫉妬したの」

「誰に？」

松田「トラビスのみんなに。だってみんなAとの距離近すぎ」

元太とも近い気するけどな。

松田「あんまり海人とラブラブしないでよ」

「してない(笑)」

松田「してるの！」

子供のように口を尖らす彼に、私はまた可愛いと思ってしまった。

松田「松倉とだって距離感おかしいし、ちゃかと二人でご飯とか行くし、如恵留くんと最近なんかいい感じだし…閑也と＿」

ブツブツ言う彼をスルーし、私は手元に視線を移す。

私の掌を握っているのは元太の大きい手。

中身は子供でもやっぱり男の人なんだよな。