解けゆく心〈フィッシャーズ〉

俺の気持ち ページ35

次の日、俺は退院した

そのあと

何度もAの病室を訪れる

ドアが重くない

Aに会えることに

心が弾んでるんだ

今日も

ガラガラ



モトキ
「A！」

『魁！待ってたよ！』



ベッドのそばにある椅子に座った



モトキ
「あ、首のコルセット外れたんだね！」

『うん。でも、傷は目立っちゃうから包帯を巻いてるの』



傷が目立つ…

ぎゅっと、拳に力が入る

その拳を上からそっと手が触れた



『お願い…もう、そんなこと考えないで。また魁が自分を責めて傷つけちゃうのはもう見たくないの』

モトキ
「A…」

『ほら！笑って！魁！』



頬をむにーっとされたw

嬉しい…



『えっ？か、魁？痛かった？』

モトキ
「違う…違うよ……」



流れてきたものを隠すように

Aを優しく抱きしめる



モトキ
「Aの笑顔、また見れた。これからもずっと見れるんだって」

『私もね、魁の笑った顔を見ると元気が出てくるの』



Aから離れる

目が合って、ぷはっwと笑い合う

口元に手を持ってく仕草

あぁ〜、可愛い…



モトキ
「A。今日ね、プレゼントを持ってきたんだ」

『プレゼント？』

モトキ
「2/14は？」

『あっ…！』

モトキ
「はい！受け取ってください！」



テーブルの上に差し出した縦長の箱

手に取ってゆっくりと開けるA



『えっ…！？ほ、ほんとにいい…の？』

モトキ
「うん！退院したら、これ付けてデート行こうよ」

『うん！』



俺がAにプレゼントしたのは

シルバーのリングネックレス

俺のとペアルック

どんな服にでも合うように

これは内緒だけど…オーダーメイドでね



モトキ
「リハビリは？」

『もう終わったよ。明日か明後日には退院出来るって！』

モトキ
「ほ、ほんと！？」

『うん！』



早く

Aと家に帰りたい

Aと朝ごはんを作りたい

Aと朝ごはんを食べたい

Aと買い物に行きたい

Aと…

これからの日々を共に過ごしたい…

片時も離れたくない…



俺の気持ちがちゃんと固まった

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