Episode17 ページ19
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(side降谷)
柔道場が騒がしい。確かに投げ技だったりで、大きな音が出るが、それよりも周りの話し声の方が騒がしい。
ヒロもなぜこんなに騒がしいのか、分からないのか、何かあったのかなと聞いてくるが、俺は、分からないと答えた。
本当に何があったんだ。そう考えていると、萩原と伊達がこちらに来る。そしてヒロが今まで思っていた、疑問を萩原たちに尋ねる。
「何かあったの?すごい騒ぎだけど」
「あー、そりゃーね。あれだけ目立ったらね〜。滝沢さんが陣平ちゃんの言葉にカッときっちゃってそれで柔道で勝負しろって言ったらこんな騒ぎになっちゃったわけ。」
「松田もあんなことまで言わなくてもいいのにな。滝沢さんの何が気に食わないのか……」
あいつら何やってんだ。と思う。確かに煽った松田も悪いがその言葉にのる滝沢も滝沢だ。松田の言葉にまんまとのせられている。
確かに松田が滝沢の性格上に苛立つ理由も分からなくはないが。
「………で、どっちが勝つと思う?確か滝沢さんって柔道の成績上位でしょ?ワンチャン陣平ちゃん負けちゃったりとか、あるかも!」
「さすがに松田だろ。体格差がかなり違うし。しかも滝沢さんは、投げ技で倒そうとしているし……。だから、松田かな………」
「………俺も、確かに滝沢さんは、強いけど、松田にはちょっと敵わないかな………ゼロはどう思う?」
………どっちが、勝つか、か。
『女だからって何もできないとか、言わないと思ったなら大間違いよ!!!女だってやるときはやるのよ!!』
不意に滝沢の言葉を思い出した。女だってやるときはやる、ね。
「………さぁな。だけどこれだけは言える。………勝負はやってみなきゃ分からない。」
するとみんな僕がそういうとは思わなかったのか、目を見開いていたが気付かないフリをした。そして、松田と滝沢、と教官が名前を呼ぶ。
いよいよ二人の対決が始まる。
とりあえず、お手並み拝見だな。
あまり恥ずかしい姿は見せてくれるなよ。
そう思いながら二人の方に視線を向けた。
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作者名:かげね。 | 作者ホームページ:
作成日時:2020年5月20日 18時