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愛してる(まふまふ)切甘 ページ6

「愛してる」
「私も」

そう言い合って笑っていた。
僕は、そんな言葉では足りないくらいに思っていたのに。

ま「なんで。」

と、宙に言葉を吐き出しても返ってくることは無い。

なんでの後に続く言葉を押し殺す。

ねぇ。
なんで。

僕に何も言わず、消えてしまったの?

彼女は僕に何も言わず、忽然と姿を消した。

服も、大事に使っていたぬいぐるみも、全て消えてしまった。

残っていたのは、一通の置き手紙だった。

まふくんへ。
ごめんね。大好きだよ。

ま「……普段は大好きなんて言ってくれないのに、なんでこういう時だけ。」

手紙を毎日見すぎて、くしゃくしゃになりかけている。

周りの人に聞いても、皆口を閉ざしていた。
何かあることは分かっている。

ま「ねぇ。Aちゃん。君のいない場所は暖かくもないよ。何処にいるの……?」

彼女に届きやしない言葉を二酸化炭素として吐き出す。
窓から空を見つめた。空が何色なのかももう分からない。
彼女の香りがまだするクッションを抱きしめた。
あなたside

A「……とか思ってるのかなぁ。まふまふくん」
私は、病院にいる。

まふまふくんに黙っていたけど、私は進行性の病に罹っていた。

いつかは死んでしまう可能性が高い。五分五分どころの話では無い。生きていることが奇跡レベル。

そんな運ゲーみたいな病に罹っている私は、彼の元を離れることにした。

彼は普段、いつも室内で暮らしている。その目を盗んで、服などを少しずつ段ボールに詰めて行った。

いざお別れの時。彼は偶然にも外出していた。

荷物を全て両親の車に乗せて、彼に最初で最後の手紙を書いた。書こうとした瞬間、涙が溢れて止まらなかった。

その涙を、必死で服に染み込ませ、辛うじて書いた言葉は、ごめんね。大好きだよ。だった。

その紙を置いて、私はその家から出ていった。

今は、静かな病院で1人空を見上げている。

病室の扉が開く音がした。

A「そらるさん……」

そ「……久しぶり。」

全ての事情を知っているそらるさんが来た。椅子を勧めて、そこに腰掛けた。

そ「痩せたね。」

A「……はい。」

そらるさんには全てのことを伝えて、まふまふくんのことをお願いした。

そ「……まふまふには本当に伝えないつもり?」
A「はい」

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味付けのり(プロフ) - りこさん» きゃー!!コメント気づいてなかったです!ごめんなさい……。更新頑張ります!!! (2020年2月4日 15時) (レス) id: e8088cc444 (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - あけましておめでとうございます!更新がんばってください! (2020年1月1日 11時) (レス) id: a25fb80203 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:味付けのり | 作成日時:2019年7月24日 22時

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