【すとぷり】その涙を僕の肩に落としてよ

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「伊藤さん。伊藤さん。」

『ん…？』

「大丈夫？ぐっすり寝てたわね。もう1限目終わったけど…体調どう？」



もう1限目終わったのか

『はい。もう大丈夫です。ありがとうございました』

「体調には気をつけてね」

ぐっすり寝ちゃってた

２時限目は…テスト返しだったような

新学期始まってすぐに行われたテスト



「Aちゃん！体調どう？」

教室に入ってすぐくるお友達


『もう大丈夫。心配かけちゃってごめんね』

「元気ならいいんだよ〜！それよりテストがさ〜…」


言い訳ばかり言ってるな


もっと努力すればいいのに


なんて





チャイムが鳴る


席に着くと、すぐにテスト返し


「伊藤ー」

『はい』

「おまえらー。今回も伊藤が学年1位だったぞー」



大声で言わないでよ

『…ありがとうございます』

「この調子でもっとがんばれ」

もっと？



まだ努力しなきゃいけないの？


『…はい。頑張ります』

無理やり笑顔を作る

これ以上どう頑張ればいいんだろう


満点以上の点数は、ないのに

これ以上どう上げればいいんだろうね



だめだ

ひねくれてる









る「…」









彼にこんな顔、見られてるとは思わなかった









るぅとside



この調子でもっとがんばれ


先生がそう言うと伊藤さんの顔が曇った





る「…」


なんだろう

目に光がない


でもすぐに笑顔になる

でもそれは笑顔じゃない


なんとなくだけど


そう思ってしまう何かがあるんだと思う




彼女は何を抱えているんだろうか


彼女はなんで昨日の放課後、泣いていたんだろうか




謎は深まるばかり

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