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ころんくんがいる教室に私は恐る恐る顔を出す
あれ、ころんくんだよね
『…眼鏡かけてる』
黒縁の眼鏡をかけて紙に文字を書いている
私の声に気づいたのか、
こ「あれ?どうしたの?」
とこっちに駆け寄ってくれた
えっと、なーくんだよね
でも一応先輩だし…
『…なーくん先輩から、ころんくんにお届けものです』
下を向いてころんくんの方にお弁当を差し出す
こ「えっ、わざわざ持ってきてくれたの?」
『なーくん先輩優しいんですね』
こ「なーくんじゃなくて、古川さん。」
『え?』
こ「わざわざ来てくれたの嬉しいよ」
顔を上げると笑顔のころんくんがいた
『えっと、頼まれただけなんですよ。』
こ「なーくん怖かった?」
怖い…?
まぁ、話してみて優しそうだったからな
『あんまり』
こ「そっか。良かった。なーくんよく不良と間違われるからさ」
『そうなんですね』
結構おちゃらけてそうだけど
こ「それよりさ、同い年なんだからタメで話そうよ」
『えっ、と…』
こ「無理にとは言わないけどね」
『えっと、喋りたい…』
ちゃんと言えてるかな
その答えはすぐにわかった
こ「それでいい!そうして!」
すごく笑顔になってたから
誰もいない教室で、私たちはさっきみたいに色々なお話をした
気づいたらもう他の生徒が登校してくるような時間で
『なんか書いてたよね?ごめんなさい』
こ「いいよ全然。もう終わるところだったし」
私は自分の教室に戻ろうとしてた
また、腕を掴まれて
こ「あのさ、明日もまた早く来て話さない?」
と少し照れながら私に提案をしてくれた
『うん。話したいな。あとね、眼鏡姿かっこいいよ』
さっきは思わず見とれてしまったその姿
君は少し照れて
こ「ありがとう」
と言っていた。
少しバイバイするのにまた抵抗がある
寂しいなって
こんなに楽しいって思ったの、久しぶりだから
早く明日にならないかななんて
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作者名:しろ | 作成日時:2018年8月29日 22時