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溢れて止まらない涙を、ころんくんは焦って拭いてくれる

こ「目が腫れちゃう。泣き止んでよ…」

『無理。色々無理』


こ「…ね、宿帰ろ」

『うん…』

私たちは手を繋いで、宿に向かう

ころんくんの手ってこんなにがっしりしてるんだ


不意に意識してしまう



『ころんくん。お願いがあるんだけど』

こ「?なに?」

『…ろんって呼んでもいい?』

そう言うと、がばっとこっちを見てきた


次第にその顔は赤くなってって

こ「…別に、いいよ…」


そう言ってくれた

『…照れてる』
こ「照れてません」


そうこう話しているうちに、宿についた


こ「先にお風呂入ってからご飯にしようか」

『そうだね。じゃあお風呂上がったらあそこのフロアで待ち合わせしよう?』

憩いの場みたいなところ

こ「おっけー。」

私はお風呂セットを荷物から取り出す

『じゃあ、後でね』

こ「うん」

別れてわかる


ちょっと寂しい


少ししか離れてないのにな


ちゃちゃっとお風呂に入ってしまおう


この宿は、外国人はあんまりいなかった

明日休みだから、今日から泊まるって人が多い


『やだ。好きすぎ…』

一応さ、両思い

ってことでいいんだよね…

いろいろ考えながらお風呂に入る

髪を乾かして、高く結ぶ

着物を着て待ち合わせ場所に向かう

多分、いや絶対待たせてる



『あ、ろん。』

眼鏡をかけている

こ「やっほ。なんか飲んだら?」

ろんはコーヒー牛乳を既に飲んでいた

私はミックス牛乳を買って一緒に飲む

大広間に2人で座って、今日のことを話す

『ろんの英語上手だったよ』

こ「何回言うのそれ」

と言って笑う君

本当にかっこよかったから

『…飲み終わったし、ご飯食べに行こ』

旅館の中にある食堂へ向かう

2人でお刺身を食べたり

湯豆腐を食べたり

すごく美味しかった

なにより嬉しかったのは

毎回移動する時に手を繋いでくれていたこと

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作者名:しろ | 作成日時:2018年8月29日 22時

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