【刀剣乱舞】伍・生まれ育った本丸、何かブラックにされたらしいんでちょっと行ってきます。

＃二百一振り目 ページ10

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「...私は...。何も、間違ってない...」

『……』

「そうよ、何も間違ってないわ。私が間違うはずないもの。いつも周りが悪いの！」




あぁ、

…これは。

もう救いようがないんじゃないか。

私の声、全然届いてない。
物理的には聞こえているんだろうけど、…それじゃ意味無いのは分かってる。


私は黙って、その続きを聞いた。

聞けるところまで聞いてやろうと思う。


―――怒りで理性がはじけ飛ぶくらいまでは。




「何が悪かったのかしら...。どこかで選択を間違えた？そもそもこの本丸に来たこと自体、間違ってたのかしら...？」




確かにそうだ。
あんたはここに来るべきじゃなかったよ。



.......。



というか来てほしくなかったよ！切実にね！！←





「ああ...そうだ、そうだわ！」

『...！』




分かった、と言うようにぽんと手のひらを叩く影華。

何がどう分かったのだろうか。
小首を傾げていると。




「この本丸の、刀剣男士が悪いのよ！全部、全部！」




メキッ...という音がどこかで聞こえた。

何の音だろう。
分からないけど、まだ話は聞けそうだ。




「私が優しく話しかけてあげたのに、あの子たちったら全然返事してくれないんだもの。酷いことばっかり言うのよ。「お前は敵だ」とか、「出てけ」とか。酷い物ね、まったく」




お客様はもてなすものじゃなくて？

...どこか虚ろな表情を浮かべながら、影華はまだ、話を続ける。




「ここの本丸、「最強」だなんて異名ついてたけど、実力だってさほど大した事なかった。弱いし言う事聞いてくれないし。


――――あの子たちに存在意義なんてなかったのよ。

生まれてこなければ良かったのに」


「「「………っ」」」




私の背後で、大勢が息を飲む気配。

そうか。
今のこの声は、皆にも聞こえてるんだ。

辺りに満ちるように広がる怒りは、…きっと、伊達組と山姥切、三日月のもの。


まだ記憶を操られてる男士たちには、この言葉、聞かせたくなかったな。
自分の主に「存在意義なんてない」なんて言われたら、いくら強くても傷つくでしょ。



いやー…。うん。何というか。


作戦変更。これ決定事項で。



ゆらり、屋根の先まで移動する。

カチャリ、霊剣を構える。



何というか。

あまりに怒りすぎて、顔の筋肉がひくつくんですけど。





『そんなに人様の刀に文句言うならもう良いです。
なので一言言わせろこの野郎。

―――うちの、

大切な男士様どもに、

もう、

金輪際、

絶対に―――



近づくなあああああ！！！！』





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