神 様 の 娘 【刀剣乱舞】

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次の日、部隊に選ばれている刀剣を除いた全振りに審神者から極秘の任務が与えられた。
内容は、娘の入学祝いをしたいからそれに見合った何かを買ってきて欲しい、との事。

部隊に選ばれている陸奥守吉行は、そっちの方が楽しそうじゃの、と言って遠征を拒否しようとしていたが同じ部隊の和泉守兼定に引き摺られながら遠征に向かった。


審神者とその娘は、同じ部屋でその時を待つ。




『……お母様』


「なに」


『これで良かったんでしょうか』


「……」


『お父様達に本当のことを言わないで、このまま逝ってしまっても良かったのですか』




向かいあわせで真っ直ぐな瞳をぶつけてくる娘に母親は溜息をつきながら、何馬鹿なことを、と鼻を鳴らす。

彼等に言ったら彼等は自分達が折れようと私たちを守るに決まってる、未来があるのは私達ではなく彼等、私達審神者が守るのは、歴史よりも彼等なのだ、と。

審神者は何時に無く真剣な目をして言った。




＿＿そして遠くから、硝子が割れるような音がする。




審神者はその音を聞くと目を瞑った。
数秒何かを考えるように黙り込んで、笑顔を浮かべる。

今まで見たことの無い、綺麗な笑顔。




「やっぱりダメね、私。最後まで心を鬼に出来なかったわ」


『なにが、ですか？』


「＿＿A」




初めて母親から自分の名前を呼ばれた娘は、はっと息を飲んで母親を見つめようとするも、その瞳から無意識に涙がこぼれ落ちて視界が歪む。
その奥にいる母親は、未だに笑っていた。




「私が見られなかった未来を見て、平和な歴史を取り戻しなさい。……それから、人間でも刀剣男士でも良いから、誰かを好きになって愛しなさい。

貴女には、その権利があるわ」

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