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楽しいことがあったら笑う。
その行動は私が此処に来てから一度も出来なかったことで、大和守安定様はそれに気付いていたのだろう。
私が最後に心から笑えたのは、審神者採用試験に受かった時。
あの時は本当に嬉しかった。
素晴らしい審神者になれるように、配属される研修先でもしっかりやろうと思っていたのに。
それが今じゃこの有様だ。
「……ねぇ、見習いは、主が怖い？」
その問いかけに、無意識に俯いていた顔を上げて大和守安定様を見ると、彼は懐から自前の櫛を取り出して私に持たせ、背中を向ける。
「僕は怖いよ」
ぽつり、と呟いた声に大和守安定様の髪に伸ばしていた手が止まった。
「主は昔からああだった。特に最初に来た太刀の燭台切さんとか、打刀の長谷部とか、言うことを聞いてくれる人にはなんでも押し付けてさ」
『……そう、なんですか』
やはり牡丹様は最初からそういう人間だったんだな、と改めて考え直して、今度こそ大和守安定様の髪に触れ、一束すくい上げた髪に丁寧に櫛を通す。
さらり、と櫛の間から紺色の髪が通っていった。
「……見習いって、名前ないの？」
『はい。私は審神者になってから決めようかと思っていまして』
「なぁんだ。あったら呼ぼうかと思ってたのに。ずっと見習い見習いって言われて寂しくないの？」
『流石にもう慣れてしまいました。……私が此処に来てもうすぐ一年ですから』
大和守安定様は、もうそんなに経つんだ、と言ったっきり、髪を梳かし終えるまで口を開かなかった。
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美咲 - お話読みました！凄く面白かったです！もう更新されないのでしょうか？(泣) (2022年3月27日 10時) (
レス) @page29 id: 7ef2d991dc (このIDを非表示/違反報告)
星華 - この夢小説はまだつづいていますか？もし続いていたら、小説更新等で教えて欲しいです。 (2020年9月20日 18時) (レス) id: a28065770e (このIDを非表示/違反報告)
akithin.(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2020年6月21日 1時) (レス) id: e324714dd9 (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - 予想外の展開に驚いています。気に病む言い方かもしれませんが、更新楽しみに待ってます。 (2020年3月6日 2時) (レス) id: 67c87e380d (このIDを非表示/違反報告)
カルム(プロフ) - やばい。ここまでゾワッてなった小説は初めてです。 (2020年2月20日 17時) (レス) id: a52b3e9031 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：-naki-
| 作成日時：2020年1月15日 21時
