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玖*加州清光2 ページ10

どうしよう…せっかく会えたのに。そうだ!!

私は、畳を叩いて注意を引きつけると、加州が振り向いたことを確認して頭を下げた。

「さ、審神者様ぁぁ!??」

「え、ちょ!何してんの!?」

2人が慌てるのも無理はないだろう。私だって何事かと思う。

――急に土下座なんてされれば。

「お願いします!この通りです!!手入れをさせてください!!」

「いや逆だよね!?普通なら俺が言うやつ!!」

「え?そう?逆……私に手入れをしてくれと頼んでください!!」

「そうじゃない!!!!」


――と、まぁ一筋縄ではいかなかったけど、何とか手入れ部屋に来てもらった。

「えーと、それでは審神者様、準備はよろしいですか?僕の指示に従って……あ、いえ、すみま」

「ご指導よろしくお願いします!」

気合いは充分だ。

遠慮するこんのすけを断ち切るべく言葉を被せると、逆に怯えさせてしまった。

「ねぇ、本当に大丈夫?」

「任せて!不安しかないけど死んでも成功させる!」

「……まだ死なれちゃ困るんだけど」

心配してくれているのか、警戒しているのか、呆れているのか……いや、全部かな?

私はこんのすけの指示に従いながら手入れをしていく。

「――そうです。上手くいきそうですね」

「これをこうして……仕上げにこう」

ブツブツと呟きながら、最後に霊力を込める。

瞬間、柔らかい光が出てきて、傷の中に吸い込まれていった。

「この霊力……まさか…」

「出来た!………あの、どうでしょう」

「素晴らしいです!審神者様、完治いたしました!」

こんのすけの一言に、力が抜けていく。

「よかったぁぁ……」

安心しきっている私の前で、加州さんはマジマジと自分の体を見ている。

うん、顔に似合わず筋肉質だし、惚れる。

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作者名:ヒタリ | 作成日時:2018年8月28日 23時

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