【とうらぶ】微力だけど任せてください！！【ブラック本丸】 (ページ21)

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弐拾＊ブラック短刀ページ21

「お、終わったぁぁ～！！」

ようやく書類が全て片付いた。

今はこんのすけが不在で、私の声に反応する人はいない。

何でも、政府に用があるんだとか。

こんのすけも暇じゃないんだなぁ。(失礼)

伸びをして休憩しようと立ち上がる。

中庭に出ようと襖を開けた瞬間、２つの刃先が首に突きつけられた。

「動かないで。死にたくないならね」

「大人しくついてこい」

災害は忘れた頃にやってくる…みたいだな。

２人とも短刀のようだが、１人だけ女の子が…男の娘かな。

もう1人は短髪の少年…あれ、どっかで見たぞ。

そんな風に何故か冷静に相手を見ていられたのも束の間。

短髪の少年から声をかけられた。

「聞いてんのかよ、人間」

その一言で今の状況を理解した私は焦った。

「聞いてます！聞いてます！ちゃんと言うことは聞きますから！」

「なんだ…やっぱり命は惜しいんだね」

冷ややかな眼差しが私を射止める。

少しでも身動きすれば首を斬られるかもしれない可能性を考えて、大人しくする。

そりゃあ、私だって人間で心はあるし、よっぽど病んでないと冷静ではいられない。

２人に連れられて来たところは１つの部屋の前。

「開けて」

言われるがままに襖を開けると、そこには数人の子供がいた。

一気に私へと集中するが、その目は恐怖、嫌悪、憎悪といった感情が込められているようだった。

「あの、これは……」

「薬研、こいつでいいんだろ？」

短髪の少年がそう言うと、部屋の真ん中に胡座をかいていた少年が「ああ」と呟いた。

「まぁそこに座ってくれや」

顎で示された場所に腰を下ろすと、左右からピタリと刃をあて直される。

あれ、１番ブラック本丸っぽくね？

この短刀達が１番危険じゃない？？

「手荒な真似してすまねぇな。ちょいと聞きたいことがあったんだ」

「あの…質問なら答えられるものだけ答えるから取り敢えず刀を収めてもらっては」

「僕達がそんなことする程優しく見える？」

「……見えたんですが、気のせいかな？」

「「気のせいだな」」

短髪と胡座の少年の声がハモったので諦めた。