【とうらぶ】微力だけど任せてください！！【ブラック本丸】 (ページ2)

今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:63,994 hit

壱＊きっかけページ2

なんてことない日々。平凡で平和な日々。

毎日同じことの繰り返しで、「つまらない」って思わなかった日はない。

それでも、こんな日常が割と好きで、気に入っていた。

そんな私は、ある日を境に「審神者」となった。

＊＊＊＊＊＊

ある夏の昼下がり。その時は来た。

「ただ～いま～」

いつものように家に入り、ローファーを足だけで器用に脱ぎ捨てる。

そこで、ふと目線を下げると、知らない靴があった。

お客さんなんて珍しいな…。いや、親戚の人かな？

特に気にも止めず廊下を歩く。

奥から母の「おかえり～」という伸び伸びとした返事が返ってくる。

いつもはその声を聞いたあと、真っ直ぐに自室へ戻るのだが、珍しく母が私の元へ来た。

「帰って早々に悪いけど、今政府の方が来ていてね、貴方に用があるって。ちょっと来て」

「え、は？政府の人が何で？ちょ、怖いんだけど。
行きたくな～い…」

「そんなこと言われても…取り敢えず来て！」

半ば強制的にリビングへと引っ張られ、中へ入る。

そこには、黒いスーツをかっちりと来た男の人がソファーに座っていた。

入ってきた私達に気づくと、立ち上がって歩み寄ってきた。

「こんにちは。私、政府のこういう者です」

ざっくりと説明されて名刺を渡され、素直に受け取る。

「はあ…あの、私に用があるって…」

「はい。貴方に頼みたいことがあって訪問させて頂きました」

ドギマギしながら声を出すと、コミュ障特有の小声でノロノロとした話し方になった。

そんな事を気にもとめず、ハキハキと返された。

母に座るよう促され、お互いに腰を落ち着ける。

向かい合うように座り、姿勢を正してこれからのことについて構えた。