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「少年探偵団の皆、今日は来てくれてありがとね。お代は…そうだな、皆の行きたいところにどけでも連れて行ってあげる券となんでも奢ってあげる券、……どうかな?」


胸ポケットにしまっていたボールペンと近くに置いてあった紙ナプキンを手に取ってお手製の引換券なるものを書き上げる。それを見せながら笑顔を向ければ元太くんと光彦くんと歩美ちゃんが嬉しそうに顔を合わせた。


「まあ妥当な報酬だな!」
「今までで一番やりがいがありそうですね…!」
「どこでもって…本当にどこでも?」
「うんそうだよ、日本国内南から北までどこへでも!」


私が小声で話していたせいか、察して他の皆も便乗して小声で話し始める。さすがは少年探偵団。話が早い。

歩美ちゃんは再び目を輝かせながら「じゃあ沖縄も⁉」と机から身を乗り出す歩美ちゃんに私は人差し指をビシッと突き出した。


「そのかわり、皆、よく聞いてね。これは遊びじゃない」


その言葉に三人は息を飲む。


「それ、どういう意味なの」


私の隣に座っていた哀ちゃんが問いかけた。


「そのままの意味だよ。でも、少年探偵団の皆にしか頼めない、できないことなの。一度しか言わないから、皆よく聞いて」


そう言って私は同じテーブルに座っているはずの皆をさらに手招きすれば皆が前かがみになって耳を傾ける。


テーブルの真ん中に置いたのは自身のスマートフォン。画面には昨日あることをまとめた図と綴ってある文章を指で追いながら淡々と説明を始めた。



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作者名:冬 磨 | 作成日時:2022年11月13日 14時

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