339.ディノ ページ39
ガタッ
「えっ、わっ」
ゴン！
「ちょっ！A！」
大きな声と、大きな音。
イヤホンをして音楽を聞いていたハンソリヒョンが振り返った。
スマホを前の席でいじっていたウォヌヒョンが、
その音に反応して顔を上げた。
他のメンバーも乗っている移動中のバンの車内で、何があったのかと言うと。
『…いたぁ〜』
ウトウトと眠っていたAが、ビクッと体を揺らして膝の上の荷物をぶちまけて、その後頭を盛大に窓にぶつけたのだった。
頭の後ろを撫でながら、のろのろと足元の荷物へ手を伸ばしているが、また目はとろんと重くなってきている。
隣に座り、心配そうにAを横目で見つつテキパキと荷物を拾い上げるディノ。
またもやディノにもたれるように目を閉じたAの腕の中のバックを抜き取って、
その中に拾った荷物を投げ入れて。
しっかりと頭がディノの肩の上に乗るように、まだぐらぐらしている頭をもたれさせた。
長い髪が触れるとくすぐったい。
もぞもぞとまだ身動きするAに声をかける。
「大丈夫そう？」
『…ん？全然平気だよぉ』
「変な夢でも見た？」
『見た…気がする。確か…』
「うん」
『みんなと移動中で…そう、今みたいに。車に乗ってて。で…到着したの。だから降りたの。そしたら足元の溝からおっきくて黒い影が…目の前にサッって起き上がってきて、びっくりして声も出せなくて…ぶつかりそうで…やばい！って焦ってるところで…起きた？』
「ふふ、びっくりして起きたんだ」
『うん…そうみたい。痛かった』
「ごめん」
『なんでチャニが謝るのぉ…』
「もっとAの事捕まえとけば頭ぶつけずに済んだじゃん？」
『ん…？んー』
ぱちぱちと大きな瞳の瞬きが、スローになって。
また規則的な呼吸音がディノの耳に聞こえてくる。
さっきまで驚いた夢の体験を熱心に話していたのに。
これはまだ寝ぼけていて、話したことも覚えてないパターンだなとディノは思う。
「まぁ、いいや。安心して寝てなよ。怖い影なんてついてこないから」
そう言ってそっと髪を撫でた。
小さく口角が上がって、微笑んだようだった。
『ありがとぉ…大好き』
Aの手がきっと無意識に僕の手を掴んで、
安心したように大きく息をついてまた眠ってしまったようだった。
自分の耳が赤くなった事には気がつかないふりをした。
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らん(プロフ) - piさん» いつもコメントありがとうございます(;_;)リアルセブチちゃん達に魅了されて更新が滞っておりました。それでも見ていただいて嬉しいです。お礼を言うのはこちらの方です！ありがとうございます！！ (2022年6月1日 20時) (
レス) id: 7b16d9cf4f (このIDを非表示/違反報告)
pi - 更新嬉しいです〜（ ｉ _ ｉ ）ディノちゃんとのやり取りの可愛さにニヤニヤしていましたが、最新のスンチョルさんの破壊力がやばすぎまして、らん様の書く紅一点ちゃんの振り幅にぶん回されております（？）本当にありがとうございます.......長文失礼しました.... (2022年5月31日 0時) (レス) @page41 id: 60c22372dc (このIDを非表示/違反報告)
らん(プロフ) - piさん» お久しぶりです！お返事遅くなり申し訳ありません(/ _ ; )いつもありがとうございます♡♡スンチョルさんのキデキデが大好きで、言われてみたいセリフ盛りだくさんでキュンです。それがちょっとでも表現できていれば嬉しいです！ありがとうございます！ (2022年4月16日 20時) (レス) id: 7b16d9cf4f (このIDを非表示/違反報告)
pi - お久しぶりにコメントします！移行おめでとうございます！スンチョルさんエピめちゃくちゃ嬉しいです....；；ちょっとのすれ違い、、きゅんきゅん、いやぎゅんぎゅんしました、、、また更新楽しみにしてます！ (2022年4月13日 16時) (レス) @page18 id: 60c22372dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭 | 作成日時：2022年4月4日 17時
