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※流血表現有
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「 ゴホッ 」
止まることを知らない咳と吐血に冷や汗が吹き出た。
どうせ治療法が見つかる。
どうせ病気なんて嘘。
そんなことばかり思っていた俺は今になって
本物の現実を見れたようだ。
「 あれ 」
「 注、射? 」
君が指さした先には空の注射器で。
しかもその隣には
" 安楽死 " と書かれた液体の入った輸血パック。
これを、取ったら、君は。
何も伝えられてないのに。
何もしてあげられてないのに。
「 ○○、くん。私、は生きてるよ 」
俺はどうしたらいい?
このまま殺せばいい?
それとも、君の意とは反して生きさせる?
「 殺す…わけじゃないんだよ 」
「 話せなくなるだけ 」
「 身体は…数日は残るし 」
頭ではわかってるのに、身体は動かない。
安楽死をさせてやらないとなのに
出来ない自分がいた。
「 君の手で逝けるなら
それは、もう、本望かな 」
「 ん、うん…………そっか 」
俺より、本人の方が覚悟を決めてる。
俺も、決めないといけないらしい。
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ちょこ - とてもよかったです! (2020年7月11日 23時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Touka | 作成日時:2019年6月28日 20時