もう一度、あの日のもとへ ページ47
Ex:046
▶夢主12歳、敵連合時代
NO SIDE
「よし、髪切るか」
『え、弔が切るんだ』
この時期の子は、美容室とかいきたがるんだろうな。と会話の外で一人、黒霧は思った。
Aの髪はかなりの長さがあり、最後に切ったのも思い出せないほど。
ちょうど膝まで伸びた髪を掬って死柄木は答えた。
「勿論」
「えっ、ちょっと待って下さい、」
「なんだよ」
「え、……できるんですか」
「当たり前だろ」
いや、死柄木弔にできるのか。
黒霧がごちゃごちゃの記憶を辿ってみても、最後に切ったのは自分であることは確実。
これは間違いない。
それなのに、死柄木弔は今、Aの髪を切ろうとしている……?
別に髪を切ることなど特になんのこだわりもない。
でも心配なのは、この死柄木弔だ。
人の髪など切ったことなどないはずだ。本当に切れるのか……?
そんな黒霧の心配の目も無視し、新聞紙を敷いた上に乗せた椅子にAを誘導し
ハサミを取り出した。
「じゃあいくぞ……」
『うん!』
「(大丈夫か……?)」
グラスを拭きながらチラチラと横目で伺う黒霧だったが、予想以上に死柄木はできていた。
揃えるところはしっかりと細かく揃えられている。
「今何歳なんですかー」
『えっ、弔知らないの。12歳だよ』
「いやこういうやつなの」
『どういうやつ?』
そして美容室ごっこまで始めてしまう器用さ。
そんな死柄木に感動し、無駄な心配だったなと思い、黒霧が目の前の仕事に専念しようとした矢先。
『私、弔と結婚したいな』
「……は、って、あ、やばい、」
「……あっ髪が!」
『ん? あ!』
Aの爆弾発言に、動揺した死柄木が誤って五指を髪に触れてしまった。
「あっちょっと、死柄木弔! はさみを!」
だんだんと崩れ落ちていく髪を、先回りして切っていった。
その黒霧の冷静な判断で、なんとか崩壊せずには済んだが。
「あー……すご」
「貴方のせいですからね」
「えっ俺じゃない。Aが……」
『なんで?』
Aの髪は、ところどころがギザギザで、歪な形になってしまった。
「というか、なんでそんな話になったんですか?」
『あー、だって結婚したらずっと一緒にいられるんでしょ? だから』
まっすぐと素直に告げたAが愛しすぎて、二人は思わず胸を押さえた。
「はあ、結婚しなくたってずっと一緒だから」
「……そうですよ」
『あ、そっか!』
そんな歪な髪型も、欠けた彼女になんだか似合っている気がした。
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青春ログアウト(プロフ) - ムーンさん» コメントありがとうございます。お、お茶子くんじゃないか笑 設定に関しては自分得で書きましたので共感してくださるのは光栄ですね！これからも頑張ります！ (2018年3月7日 7時) (
レス) id: 879efebfe2 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン(プロフ) - この設定好きだ。私。 (笑) 設定だけじゃなくてお話もどストライクです。これからも頑張ってください！更新待ってます(-ω-) (2018年3月6日 23時) (レス) id: 633020e803 (このIDを非表示/違反報告)
青春ログアウト(プロフ) - 夏みかんさん» コメントありがとうございます。自分でも書いていてとても楽しいです！弔らヴィランの関係も目が離せません！笑笑 更新頑張ります！ (2018年2月19日 21時) (レス) id: 879efebfe2 (このIDを非表示/違反報告)
夏みかん(プロフ) - 相澤先生と弔くん尊い…設定が最高です！！usjの話とか、どうなるのか気になります！！これからも頑張って下さい(*´ω｀*) (2018年2月19日 18時) (レス) id: a02c522a65 (このIDを非表示/違反報告)
青春ログアウト(プロフ) - blackReaperさん» コメントありがとうございます。10月22日ですか？これは自分の誕生日そのまま設定したので自分とも一緒ですね笑 (2018年2月17日 9時) (レス) id: 879efebfe2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青春ログアウト | 作成日時：2018年1月10日 19時
