救世主 ページ22
人は、周りの様子の変化に鋭くて。
彼はすぐ、私とさとみお兄ちゃんの異変に気づいてしまった。
ジ「Aちゃん、何食べる？」
ケーキが並ぶショーケースの前で、ジェルさんがきいてきた。
『えっ、あ、アップルパイで.......』
ジ「わかった」
私は今、ジェルさんに連れられて、あるカフェに来ています。
ジ「じゃ、座ろっか」
『はい......』
席に着くと、彼は早速話出した。
ジ「なんかあったやろ？さとみくんと」
『..........。』
やっぱり、気づかれていた。
ジ「この前、さとみくん家メンバーで行ったとき、なんか二人、ぎこちないっていうか、不自然で」
『はい......』
ジ「あの感じだと、るぅとくん絡み、やろ？」
『うぐっ……はい』
鋭い。
かなり鋭い。
ジ「.......何があったのか、教えて？」
『.......はい、分かりました』
そして私は、ぽつぽつと今の状況を話した。
『それでっ、喧嘩したとかじゃないんですけど......。なんか、距離が出来て。それで......』
嫌だ。
涙が出てきて......。
私が頼んだアップルパイが、視界の中で滲んでいく。
『なんかさとみお兄ちゃんに無理させてるみたいで、私ってめんどくさい奴って、思われてるよね....』
ジ「Aちゃん.......」
嗚呼、きっとこんな話、ジェルさん困ってるだろうな。
なんて自嘲気味に思う。
ジ「話してくれてありがとう。辛かったよな」
『いいえ、こちらこそ話聞いてくれてありがとうございます。話したって変わらないの分かってます。
…ジェルさんに話せて、多少楽になりました。あとは自分で頑張ります』
駄目、こんなとこで泣いたら。
ジェルさんに迷惑かかっちゃう。
でも、止まんなくて........。
『ぐすっ…、さとみ、お兄ちゃ……うっ』
ジ「Aちゃん、泣かんで？」
『ごめんなさいっ、ウザイですよね』
ジ「違う。なんとかなるから大丈夫。俺がなんとかする。だから......安心して？」
『えっ.....？』
なんとか、する.....？
『だ、駄目です！ジェルさんに迷惑かかるの、申し訳ないですっ！自分でなんとかするんでっ！』
ジ「はぁ.....。溜め込むのが一番あかんで。溢れたとき、大変になる。だから、頼って？俺じゃ頼れへん？」
『そういうわけじゃ.....』
ジ「なら頼ってくれたら嬉しい。無理する必要ないねん。な？」
『........うん』
頼って、いいんだよね。
『ありがとうございますっ。その、お願い、します。』
大丈夫だって魔法にかかったようにそう思えた。
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シャーペンの芯(プロフ) - みょーんとしてる方さん» 素敵なコメントありがとうございます！！私の物語が少しでもお役に立ててよかったです！これほど嬉しいことはありません。告白、頑張ってください！！夢主と共に私も応援しています！ (2021年9月21日 18時) (
レス) id: 37f133a8ec (このIDを非表示/違反報告)
みょーんとしてる方 - 私今恋してるんです。その人は同じクラスで私とは天と地の差で、ちょっとためらってたけど（告白するか）この小説を読んで頑張ろう！と思いました！本当にありがとうございます。夢主ちゃんみたいに告白してみます！ (2021年9月19日 22時) (レス) id: 04fcd4138c (このIDを非表示/違反報告)
シャーペンの芯(プロフ) - 夢花さん» ありがとうございます！！楽しんでいただけて嬉しいです！ (2021年3月10日 19時) (レス) id: 4eed4f74a9 (このIDを非表示/違反報告)
夢花 - あっあっあ甘いいいいいい!こういうの大好きです!ありがとうございますぅぅぅぅぅぅ!(スンッ)これから応援させていただきます。 (2021年3月10日 18時) (レス) id: cf87ac2a06 (このIDを非表示/違反報告)
シャーペンの芯(プロフ) - 狐さん» コメントありがとうございます！！！楽しんでいただけたようで、幸いでございます……！ (2020年8月16日 12時) (レス) id: 4eed4f74a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シャーペンの芯 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/syapennosin/
作成日時：2020年4月7日 17時
