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5.乱雑な優しさは ページ5

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目の前にはでかいあの有名な真選組の屯所がそびえ立っている。……奢られたお金返したいから総悟に会いたいとは思ってても…



「実際会うとなると、気まずいんだよなぁ」



大量のうどんが入った箱を持っていたからか両手が悲鳴を上げていたので、そっとその箱を屯所の入り口付近に下ろそうとした。すると手を滑らせて落としかけた。


……そう、落とし''かけた''のだ。両手から箱がなくなって軽い……じゃなくて。



「わー、久しぶりー…」

「何言ってんですかィ?1週間ぶりだから久しぶりでもねぇだろィ。にしてもお礼も言えねぇんだねィ」



皮肉を嬉しそうにつらつらと述べながら彼は箱を肩に担いだ。こういう時はやっぱりこう彼のドSの部分が発揮されるのだろうか。彼の皮肉は言われ慣れているがちょっとだけ腹が立つ。


「……そういう一言がなければただのイケメンなのに」

「生憎こういう性分なもんでねィ」

「ふーん、そう。とりあえず返してよ、それ」



肩に担がれた箱を指差したが、一向に渡す気配がない。ちゃんと屯所の中まで私が運ばないといけないのに。背伸びして取ろうとすると彼はより高く持ち上げた。……こいつ、からかってるな?そう思っていると総悟は言った。



「おめぇも女だろィ?」

「そうだけど、何を今更……」

「だったら、これくらい俺にさせやがれィ」



からかってなかったのか意外だ……と彼を見ていると、空いた手で頭を乱雑に撫でられた。その手つきが妙に優しくて、訳がわからなかった。……なんでそんな急に優しくするの。



「あのさ」

「?」



彼はあのさ、と言う言葉を聞くと、怪訝な顔をした。何言う気だとでも言いたげな目をしている。



「ありがと」

「おう」



すごい悔しいが、助けられたのでお礼を言うと、返事をした彼の表情はいつもより穏やかだった。

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沙栗(プロフ) - 楽しみにしててください! (2023年2月24日 20時) (レス) id: d83def9fba (このIDを非表示/違反報告)
黒猫ニサナ - 更新待ってます(暗黒微笑) (2023年2月24日 20時) (レス) @page1 id: d9091632c0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙栗 涼真 | 作成日時:2019年6月20日 19時

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