1匹.腐った縁もなんとやら ページ1
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「あれ?Aじゃねぇですかィ」
「げ」
蝉が暑さに悲鳴をあげているかのように鳴いている夏の日。額からの汗がだらだらと拭っても拭っても止まらない。
少しでも涼みたいとそんな軽い気持ちで喫茶店に入ったら、また
「久しぶりだねィ」
「……こんなとこで何してんの?」
「見廻りでさァ」
「嘘つけ」
「嘘じゃねぇ」
切っても切れない縁とはよく言うが実際自分がそんな縁を待っていると引きちぎってやりたくなる。
彼には何回もその縁に惹きつけられたかのように偶然鉢合わすのだ。おかげで''あんな最低な別れかた''をしたのに、今では普通に話せるようになるくらいになった。
「あの、ご注文は?」
ふとそんな思考を遮るかのように頭上から声がした。見てみると、店員が気まずそうに立っている。
メニューを適当にパラパラめくり冷たそうなものを探す。総悟はなぜかじっとその様子を見ていた。
「あー…アイスティーで」
「かしこまりました」
その注文をとった定員が頰を染めながらチラチラと総悟を見ていたのでパフェを食べてるだけで絵になる彼に腹が立った。
「変わりやせんねィ。あんたは」
「急に、何言ってるの」
「……別になんでもありやせん」
見た様子、明らかになんか彼は私に言いたい事がある。私が昔と変わらずに何も考えてなさそうだとでも言いたいのだろうか。
私はあんたも変わんないでしょというのをじっと堪えて、自分の着物の裾をぎゅっと握った。
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキーアルファベット
X
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
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沙栗(プロフ) - 楽しみにしててください! (2023年2月24日 20時) (レス) id: d83def9fba (このIDを非表示/違反報告)
黒猫ニサナ - 更新待ってます(暗黒微笑) (2023年2月24日 20時) (レス) @page1 id: d9091632c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沙栗 涼真 | 作成日時:2019年6月20日 19時