教えてよ、俺に。【としみつ】 (ページ3)

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03.存在ってなんなの。ページ3

としみつもそのあと起きて、何事もなかったかのように「おはよ」なんて言って、シャワーに入る。

私はその間に二日酔いのあいつのために、卵スープだけ作って、リビングでコーヒーを飲む。

と「良い匂いすんね。食っていいの？」

「うん」

それだけ。

これでも私たちは幼馴染。

と「昨日、ありがとね」

「覚えてんの？」

と「うん。なんとなく。」

「早く、この代わりやってくれる人、見つけてね」

と「お前を超えるお手伝いさんはなかなか難しいよ？」

「お手伝いさん料金58000円でーす。」

と「ぼったくりかよ。」

こんな会話の途中に、スープを飲んでうまっ。なんていう彼を見ていると、私にとってこの人の存在って。なんて考えたりする。

また次の日に、撮影スタジオに行くと、「おはよ、夫婦さん。」なんて言われて、「うるせぇ」と返すとしみつ。

虫さんと2人でご飯に行ったとき、「本当のところ、としみつに恋愛感情あるの？」と聞かれた。

「え？ないよ」

虫「としみつがこれから、結婚して、子供できてパパになって、おじいちゃんになって…
ぼくにはその相手はAしか務まらないと思うんだけど」

「ないない。私もっとしっかりした人が良いもん」

虫「としみつは満更でもないかもよ？」

そんな一言から、少し意識して見てしまうのも、間違いではなかった。

でもここから恋愛に進むのは、逆に難しかった。

だって3歳から一緒なんだ。
なにもかもわかっているけれど、彼と恋愛するとなると、それは1からのスタートだった。

「としみつは早く良い女出来れば良いよね。」

私の口癖も
これが本心かはわからなくなっていた。

と「来週からの東京、Aもついてくるんだよね？」

「行くよー」

と「俺の東京の家にしばらく住むよね？」

「それでも良いの？」

と「いいよ」

「じゃあそうする」

としみつは東京への往復が多いこともあって、東京に家を借りている。

こんな会話も普通ならダメなんだろうけど、私たちは幼馴染。それが普通だった。

彼らが東京に1ヶ月行く間、私も裏方としてお手伝いに行く。彼らの洗濯をしたり、栄養あるものをたまに届けたり、撮影スタジオの掃除をしたり、編集をしたり、、まぁこんな仕事。