12.気にしないで。 ページ12
次の日、私が目覚めると目の前に彼の顔。
愛おしい寝顔に、昨日の事を思い出して、ちょっと恥ずかしくなる。
彼を起こさないようにそっと布団から出て、朝食を準備する。
ご飯、味噌汁、だし巻き卵、鮭、お漬物。
こんな日本人!って感じの朝食が好きだったりする。
「としみつー!ご飯だよー!」
こうやって起こすのも、付き合う前からやっていた。
と「ん。…おはよ。」
そう言って私に抱きついてギュッと腕を強くする。
「わぁ!びっくりした…」
変わったのは、私も彼が恋人になった事だけ。
「ほら、ご飯出来たよ?」
と「うん…」
そう言いながら中々目を覚まさない彼をみて、幸せだなぁ。なんて思う。
無理矢理彼を起こすと、あくびをしながら朝の支度をする。
いただきます。と2人で手を合わせて、ご飯を食べる。
一緒に過ごして23年。
付き合って1ヶ月。
体を重ねて1日。
私たちは、何よりも一緒にいるのに、幸せを感じるのに少し時間がかかる2人だった。
と「うまい。天才」
「おおげさ。」
と「本当の事言ってるだけやん」
「ありがと。」
そんな会話も、彼の目を見て出来たはずなのに、どこか恥ずかしさが勝ってしまう。
と「よし、行くか。」
撮影スタジオで活動するようになった東海オンエアだが、そこもどこか落ち着く空間になるのはメンバーがいるからだろう。
今日もまた撮影を眺めては、メンバーの面白さに笑ったり、撮影準備に協力したりしていた。
虫「ところでさ、2人は熱い夜だったようだね」
「なんで?何が?え?」
あまりに唐突な質問に少し焦る。
虫「なんか、昨日よりも距離が近いから。」
「うるさいよ」
虫「図星だね」
そんな鋭い虫眼鏡をよそに、てつやとしばゆーと戯れるとしみつを見て、自然と頬が上がる。
と「なんの話しとったん?」
「内緒」
そういうと、少し面白くない表情をする。
と「今日も泊まり?」
「そうしようかな…」
そんな一言にわかりやすく表情を明るくさせるとしみつが愛おしい。
「可愛いっ」
と「可愛くねぇよ」
「可愛いもんは可愛い」
と「うるせぇ、抱くぞ」
「いいよ」
と「えっ…」
そんなとしみつを見ていると、私は彼の彼女で良かった…と思う。
ラブラブって、いつまで続くのかな。
楽しみのような、不安のような。
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作者名:tee(てぃー) | 作成日時:2019年9月29日 9時