Language of Flower (ページ17)

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ゼラニウムページ17

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月に二度ほどある休みの日。
広臣は2週間前にマンションに帰ってきて以来一度も帰ってこなかった。

今日の休みは広臣と私だけの連絡用のスマホにメッセージがきたからだ。

マンションを出て東京の夜の街を歩くのは久しぶり。滅多に行けないバーに行きたくなり前に広臣がくれたお洒落な服を着ている。

私の本来の家は愛奈のマンションから二駅ほど離れたマンション。

いつもは愛奈がいるからマンションに泊まって育ててるけど、たまに広臣から家に帰れと言われる日がある。

愛奈は私が家に帰っている間、母親に会えているのだろうか。

私じゃない本当の母親のご飯を食べて本当の母親の愛を貰っているのだろうか。

きちんと広臣に聞いておきたいことだってある。

だけど、聞こうとすれば、寂しそうに笑う広臣が目の前にいるから聞けない。聞いてはいけない、そう思ってしまう。

愛奈の将来のこと、広臣は考えてるのかな。と、ふと思う。
奥様とのお子さんなら会社のことをさせる予定なのか。

警備が頑丈なマンションに母親と会うこともできない。そして習い事をたくさんさせられる、愛奈。

いや、

孤独の城に囚われた小さなお姫様。

いつか幸せが訪れるのだろうか。