世界は麗らか【文スト】

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敦side



「あそこの美術館 今週までやってるみたい」



「それはいいね 明日行ってみよう」




「「(一緒にお出かけ!?)」」




「見てこれ さっき拾った」


「なにこれ 毒キノコ?」




「「(距離が近すぎる!!)」」




「今日の夕飯どうしよう」



「私は親子丼が食べたいなぁ」




「「(夕食を共にする!?)」」




一体 誰なんだろう



仲睦まじい二人の世界は とても神秘的に見える





「おい敦 どういう事なんだ (ﾋｿｯ」



「分かりませんよ僕にも (ﾋｿｯ」




前のめりになって国木田さんの手帳で口元を隠しながら話していても太宰さんと女性は気がつかない





楽しそう笑うその横顔はとても綺麗で思わず見入ってしまう





「あの感じ、依頼の方ではなさそうですね(ﾋｿｯ」



「あぁ、かなり気心の知れた仲だな(ﾋｿｯ」





太宰さんに親密な女性がいたなんて



いつも心中やらなんやら連発している太宰さんと普通に話せている




国木田さんは信じられないと苦悶の顔を浮かべた




「彼女ほどの美人がなぜ太宰と (ﾋｿｯ」




「……国木田さん 気になるんですか? (ﾋｿｯ」




「ば、馬鹿言え 何故俺が……!」




と言った途端慌てふためく



めちゃくちゃ気になるんですね 国木田さん…




ｶﾗﾝ ｶﾗﾝ




「……っ織田さん!」



「ようやく終わった」





織田さんが僕たちの席まで来る



頭を伏せ前のめりの僕たちに対して「何してるんだ?」と聞いた




「それが……」




視線を太宰さんたちの方へは向けると 織田さんもそっちを見た




「太宰、戻ってたのか」



「やぁ 織田作 お疲れ〜」



「あれ 作之助も休憩?」



「「(え…えぇーー!?)」」




まるで何事もないように女性の隣に座った織田さん



ど、どうなっているんだ一体




「おや どうしのだね敦君そんなに汗をかいて」



「国木田も顔色が悪いな」




焦っている僕たちに対してようやく太宰さんたちは後ろを向きこっちを見る




初めて真正面から見た女性は



息を呑むほど、美しかった





「ど、どうしたのってそれはこっちの台詞ですよ!!」




「そうだぞ太宰!織田はともかく何故貴様は何の説明もなしにずっと話しているのだ!!」




「だから、何のこと?」


「?」


「あぁ そうか」




織田さんはやっと理解したという顔をすると一目女性の方を見て





「Aだ」



「はじめまして 星野Aです」




「「…………え?」」




星野、A Aって………




「「えぇーーー!?!?」」




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