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Noside
「あの、織田さん……」
「どうした、敦」
ひっそりと織田に耳打ちする敦。視線を気にするのは向こう側のデスクにいる太宰。
「太宰さん、何かあったんですか? (ヒソッ」
「あぁ…」
恐らく昨夜、芥川とAが会った事が気がかりなのだろうと織田は感じる。
今朝からずっと何か考え込むような顔をして 元々手をつけていない書類やら報告書が更に溜まり、その被害が敦に巻き添えを食らっている
「悪いな、敦。太宰の分は俺も手伝う」
「うぅ 助かります!!」
涙目の敦を見て織田は軽く微笑む。しかしすぐに視線を太宰へと向ける。
何か難しい事を考え込むその様子に、織田はそっとしておくかと決め、自身の仕事と太宰の仕事に取り掛かった。
_________
ブ-ブ-
『私だ。 久しいなA』
「お久しぶりです、福沢さん」
電話口から聞こえてきたのは 私の父の友人である福沢諭吉さん。私が小さい頃から可愛がってくれていて、現在もたまに連絡し合う。
『実は、頼みたい事があるのが』
「はい、何でしょう?」
話を聞くと 福沢さんが調査したある事件をきっかけに両親を亡くした男の子と出会い、時々面倒を見ているそうだ。
それで、その子が私の書いた絵本がとても好きらしく 一度でいいから会ってやってほしいと、
『おこがましい願いだというのは承知の上なのだが……』
自らを詫びるような声色に、少し切なく感じた。きっと福沢さんの事だから男の子の事も、私の事も気にかけてくれているのだろう。
「はい もちろんです」
『……よいのか?』
「私も、その子に会いたいです」
『ッ感謝する! ありがとう』
驚いたような安堵したような声を聞き電話を切る。
「あんなに嬉しそうな声、初めて聞いた」
きっと、その男の子は福沢さんにとって守りたい存在なんだろうな。そう思うと少しでも私に出来る事があって嬉しく思う。
「あ、そうだ」
ふと、アイディアを思いつき 電話をかけ直した
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柚子の香(プロフ) - キリカさん» いえいえ!頑張ってくださいね! (2018年8月27日 17時) (レス) id: 174fdb4db8 (このIDを非表示/違反報告)
キリカ(プロフ) - 柚子の香さん» ありがとうございます。ほんとだ"敦"ですね。すみませんありがとうございます! (2018年8月27日 6時) (レス) id: 0facb3a838 (このIDを非表示/違反報告)
キリカ(プロフ) - 唯我独尊丸さん» わぁ ありがとうございます。うれしいです! (2018年8月27日 6時) (レス) id: 0facb3a838 (このIDを非表示/違反報告)
柚子の香(プロフ) - 凄く面白い!ただ、ひとつだけいいですか?漢字が『淳』では無く『敦』だと思います。なんかすみません。この作品大好きです!更新楽しみにしてますね! (2018年8月27日 0時) (レス) id: 174fdb4db8 (このIDを非表示/違反報告)
唯我独尊丸(プロフ) - 凄く面白かったです!イッキ読みしちゃいました笑更新頑張って下さい!楽しみにしてます! (2018年8月26日 23時) (レス) id: 2689cacca6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キリカ | 作成日時:2018年8月22日 19時