俺が好きになったやつ 【影山飛雄】

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「影山ー」


「ｯはい!」




テスト返し最終日。ついに来た、この瞬間ｯ…。先生の前まで行くと鋭い目で俺を見つめる




「影山、」


「はいっ!」


「…………どんな手を使ったが知らんが、」


「はいっ!」


「よく、頑張ったな」


「……ｯ!、はい!!」




返された回答用紙は、丸の数が驚くほど多かった





……………




「か、かかかか、影山が…っ!?」


「赤点なしだとぉおおお!?」




部室で俺の回答用紙が回る。先輩も日向達もこぞって見ていた






「おい影山ァ! どんな細工をしたんだよ!!」


「細工ってなんだよ、俺は俺の実力を出しただけだ」



「いやいやいや! そんな訳ねェだろ!!頭ん中バレーの事しか考えてないくせに!!」



「日向ボケェ!! 俺だってやる時はやるんだよ!!」


「まぁまぁ二人とも落ち着けって。でも影山、ほんとよくこんないい点数取れたな〜」



「アザっす」


「それでも平均点くらいだけどネ」


「んだとコラ!?」


「どんな方法でやったんだよ!?」





日向がヤケクソに聞いてくる、どんなって言われてもな





［お互い頑張ろ___］





そういや、テスト終わってから一度も見てないな。あいつはどうだったんだ




「教えてもらったんだよ」


「えっ 影山が、誰かに勉強を!?」


「こんなバレー馬鹿に付き合うなんて、よっぽどの変人デショ」


「だよね ツッキー!」


「うるせェ!!」




俺の声で ｼﾝｯとなる部室。自分でも驚く程大きな声が出た 無意識に出た




「影山、」




立ち尽くす日向達をかき分けてキャプテンが俺の前まで来た。肩をがしっと掴まれ満足そうに笑う




「じゃあちゃんと、礼を言いに行ってこい」


「…ｯ はいっ!」




回答用紙を握って、俺は部室を出た





……………




ﾋﾟｯ ｶﾞｺﾝ



「おいし」



ぐんぐんヨーグル、思ってたより酸味が少なくて飲みやすい




ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞｱｧｧ!!



「ｯ!?」



ものすごい足音が、どんどん近づいてくる。思わず身構えると角から彼が現れた





「っここにいたか!」


「うん すごい勢い」


「探したからな」


「そうなんだ」




数日ぶりに会ったのに、なんだか凄く久々に感じてしまう。少しだけ乱れた前髪に神妙な面持ちの彼





「これ、」




ﾊﾞｯと突き出された紙 受け取ると今回のテストが勢揃い



「…!」




それは、私の想像以上の結果が記されていた




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