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朝 彼を見送り いつも通りの時間に家を出ていつも通り授業を受ける
ｷ-ﾝｺ-ﾝ ｶ-ﾝｺ-ﾝ
お昼 お弁当を食べ トイレから帰ってくると教室を覗いている彼がいて私に気がついた
「朝日奈、」
「 ? 」
「これ、」
ずいっと突き出されたのは、今朝渡したお弁当箱だった。受け取ると軽く 食べてくれたんだと分かる
「ちょっと、扉塞がないでくれる?」
背後からこもった声が聞こえたと思うと、目の前の彼は眉間にしわを寄せて明らかに嫌な表情をし、私の背後を睨む
私を挟む形で数秒の沈黙。二人に何が起こっているのだろうか
「朝日奈サン、授業始まるよ」
「うん」
教室に入ってゆく月島は薄く笑う。立ち尽くす彼に「また」と言い 後を追おうとすると 肩を引き寄せられた
「あっ…」
自分でも自分の行動に驚いた、というような「あっ」だった
「…弁当、美味かった」
「 ! 」
「あ、ありがとう?」
「うん 部活頑張れ」
「おう」
「じゃあな」と彼は隣のクラスに帰って行った
「…」
……………
「さっきのなに」
小テストの丸つけ中、眉間にしわを寄せ不機嫌そうな月島
「影山に弁当作ったってこと?」
「うん」
「なんでそんな」
帰ってきたのはｼﾞﾄｯとさた眼差しと私の小テスト。採点は細やかで今の風貌と噛み合っていない
簡潔に昨日の事を話した。傘を持っていない彼と偶然会ったこと、台風で帰れず家に泊まったこと、その流れでお弁当を渡した事
終始気に入らないような顔をしながらも最後まで黙って聞いており その後に盛大なため息を吐く
「だから言ったのに。あの馬鹿、しかも傘持ってなかったのかよ」
「…うん」
「キミもでしょ」
「…?」
なんの事?と思いながら月島の採点が終わり渡すと「無防備すぎ」と若干の呆れ顔
「そう…か、な」
「そこまでする必要ないデショ」
「う、ん…」
「…?」
かすれ声のせいか、不審がった月島が私の顔を覗こうのして 慌てて晒す
「ねぇ」
「…」
ｷ-ﾝｺ-ﾝ ｶ-ﾝｺ-ﾝ
「じゃあ テスト前持ってきて〜」
みんなが持って行く最中、私も立ち上がる
「…ｯ」
視界が急にぼやけ 地面が揺れる。あまりの事に目を瞑り次の一歩を踏み出した瞬間 膝の力が抜けた
「ｯ、朝日奈さん!」
ｶﾞｸﾝと倒れそうになった私を支えたくれた月島。途切れそうな意識の中 覚えていたのは月島の言葉と、彼の事だった
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かげぇ - 本当にこんなストーリーが思いつくなんて天才ですね。本当に感動しました。ありがとうございます。 (2022年10月21日 2時) (
レス) id: 3036219cf9 (このIDを非表示/違反報告)
キリカ(プロフ) - 祈吏さん» 差し支えなければ村上春樹さんのどの作品の女の子に似ているのか教えて頂ければ幸いです。とても気になります! (2022年6月5日 22時) (レス) id: 81cf740146 (このIDを非表示/違反報告)
キリカ(プロフ) - かるぴんさん» ありがとうございます! 月島くんのことも好きになってくれるなんて感無量ですね (2022年6月5日 22時) (レス) id: 81cf740146 (このIDを非表示/違反報告)
祈吏(プロフ) - 主人公の女の子が村上春樹の小説に出てくる女の子みたいですごく好きでした (2022年6月4日 15時) (レス) @page50 id: ed79f9af0b (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - すごく素敵でした。影山くんももちろんですが、月島くんももっと好きになりました！ (2021年6月19日 2時) (レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キリカ
| 作成日時：2019年8月11日 19時
