8 ページ8
.
(二度目の)人生初の登校が人に姫様抱っこされた状態だなんて、誰が喜ぶだろうか。
いや喜ぶ人そうそういないわな。
屋根上から見えた学校は、かなり大きく、乙女ゲームの舞台として相応しく見えた。
zm「ここらでええ?」
『ああ、有難う』
zm「んふ、ほめて?」
『はいはい、えらいえらい』
学校近くの人気のない路地裏におろしてもらい、ゾムを撫でる。
すりすりと頬を私の手に擦り付けるゾムは猫のようだ。
正直に言おう、可愛い。あんな、あんなヘラってる感なければめちゃくちゃ可愛いのに。
zm「帰りも一緒は、ダメ?」
『流石になぁ…イベントの準備片付けしないとだから』
zm「さよか…あ、俺サポートに回るから」
『え』
zm「攻略対象なんてやってられっか。鬱先生にでも任せときゃええやろ」
せやから俺とのイベント、起こすなよ?そう圧をかけてくるゾムに只管首を縦に振った。
zm「俺の運命の人はAだけやからな」
『私の何がいいんだか』
zm「んふふ、Aには分からんやろうなぁ」
『分からなくてい』
zm「えぇ〜?俺はな、Aのなんだかんだ言って甘いとこ好きやで?」
『……』
zm「あっ、照れてるぅ、かぁわい。ほんま好きやわぁ」
何度言われても慣れないな、好きだとか言われるのは。いや慣れるのはヤバいし。
『……じゃ、私はもう行くな』
zm「え、もうちょい喋って」
『いや、さっきも言ったがイベントの準備があるから』
zm「…分かったわ。でも、また会おうな?」
『あ、おい、学校では話しかけるなよ?彼奴等に見つかりたくないから』
zm「分かっとる!Aが一人の時に話しかければええんやろ?」
『ちがう!』
学校では話しかけないで、と言いかけるが、ふっとゾムは姿を消してしまった。
…逃げられた。そう小さく溜め息を吐いてから、学校へと足を向けた。
.
908人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
天天(プロフ) - 好きです… (2022年4月19日 18時) (レス) id: bc837922a0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずは - コメント失礼します!え、めっちゃ好きです、、、sypさんのところが、好みです、! (2022年3月1日 18時) (レス) @page18 id: 083d316892 (このIDを非表示/違反報告)
rrrremi827(プロフ) - うわん!めためたスキです (2021年3月17日 22時) (レス) id: 36b521ff59 (このIDを非表示/違反報告)
Rin - ンンンンンンンちゅき...(()ほんま最高ですわ... (2021年3月10日 8時) (レス) id: ee43a6ccd3 (このIDを非表示/違反報告)
甘蜜蜜華(精神安定剤())(プロフ) - こういう系の話ッ!大好物です!!!更新頑張ってください! (2021年3月8日 23時) (レス) id: 80388bac17 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:むっちゃい | 作成日時:2021年2月21日 10時