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前から思っていたのだが
彼の瞳は人と違う
赤色の瞳
しかし
この間見た時は青緑色に見えた
まるでアレキサンドライトだ
興味深い
「しぇ…せんせ…」
焦っている
じっと見つめれば
わたわたと視線を泳がす
しかし完全に嫌がっているわけではない
いい加減にしないと怒られそうだ
「…なんてね」
ぱっ、と
彼を拘束していた腕を離す
彼は少しよろめいた
「冗談だよ」
くすりと笑う
また顔を赤くして笑うかと
思っていたのだ
が
「…冗談、なんですか？」
あれ
おかしいな
少し哀しそうに目を伏せる
傷つけてしまった
ああそうか
私は彼の想いさえ…
「ご免ね」
冗談だと、踏み躙ってしまった
「すみません」
「君は、どうして謝るのかな…」
いつも、そうだ
謝らなくていい場面で頭を下げる
私が言えた立場ではないが
付き合っているというのに
君は一二三君達にするような会話をしない
壁だ
壁がある
彼にとって私は
どういう存在なのだろうか
「真に受けたりして馬鹿みたいですよね。昔っから、冗談通じないって言われるんですよ、はは…」
「何も面白くないよ」
腕を伸ばす
シルクのような柔肌
抱き寄せて
今日は見えない額にキスをする
ああ
私は
何度君を傷つけるのだろう
わからないから確かめたい
自己満足のために君を切り裂く
「…先生も、冗談がお好きですね」
笑う君
私の心が抉れる
ごめん
ごめんね
キスをする手前
腕の中の君が
呆けた顔をする
その顔に
一瞬
心臓を掴まれたようだ
「君が」
もし
「何も連絡を寄越さないようだったら」
私は
「そろそろ食事に誘おうと思っていたところだよ」
＿＿空中分解でも、構わなかったんだ
「う、わ…すみません」
「ふふ、気軽に誘ってくれて構わないからね」
嘘吐きめ
＿
「…どうかな」
「う…ちょっと、しょっぱいです」
先生は俺の感想を聞いて一口食べ
顔を歪める
「うん…塩辛い」
先生は何でもできる人だと思っていたが
どうやったらこんなに塩辛い肉じゃがが生まれるのだろうか…
「何を間違えたのだろう…」
「醤油入れすぎ」
「え」
自分の意志に反し恐ろしく冷たい声
間をおいて慌てて作り笑い
「で…すかね？ははは…」
怪訝な顔
どうしよう
嫌われたかもしれない
「…六月君」
「は、はい…」
やっぱり別れよう？
頭が高い？
今日が命日かもしれない
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Last(プロフ) - いおさん» ありがとうございます。詩的な表現に気を遣っていたのですが、そう言っていただけてとてもうれしいです。完結までよろしくお願いします。 (2019年6月1日 21時) (
レス) id: ec5508f4a5 (このIDを非表示/違反報告)
いお(プロフ) - 素晴らしすぎる作品ですね…!続きが気になり過ぎて堪らないです!!文章も綺麗で、何から何まで素敵な作品です…!!これからも頑張ってください…!! (2019年5月28日 23時) (レス) id: 1d7aa46e15 (このIDを非表示/違反報告)
Last(プロフ) - 彩華さん» ありがとうございます。お話も割と終盤ですが今後も楽しんでいただけるよう頑張ります。 (2019年5月26日 15時) (レス) id: ec5508f4a5 (このIDを非表示/違反報告)
彩華(プロフ) - しんどい…好き…めっちゃ心抉られるくらいキュンときます…俺的にはどストライクすぎます。作者さん好きです（） (2019年5月25日 0時) (レス) id: 3d53cc1cd6 (このIDを非表示/違反報告)
Last(プロフ) - 腐女神さん» ありがとうございます。完結まであとわずかですが今後とも気長に待っていただけると幸いです。 (2019年5月19日 2時) (レス) id: ec5508f4a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Last | 作成日時：2019年4月27日 1時
