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「あ、顔真っ赤。笑」
『っ〜！
そうです！恥ずかしいもん！』
久しぶりに好きな人に”可愛い”なんて、言われたら照れるに決まってるじゃん！
それに加えて顔真っ赤なんて……。
自分でも分かってます！！
そう思っていたら、海人の腕でさらに引き寄せられて、海人が耳元で話し始めた。
「このことさ、ずっと言いたかったんだけど気づいてた？」
『…へ？』
「最近帰り遅いから、迷惑かけるなって思って俺こういうの結構我慢してたんだけど。」
我慢してくれてたの？
思い返してみればここ２ヶ月くらいは帰りが遅くて、
最初のほうは、海人もかまって〜ってちょっとウザイくらいに話しかけてくれてた。
でも最近は帰ってきても話してもくれなくなって。
いつの間にか、私のこと嫌いなのかな……とか考え始めてた。
でもあれは私のために我慢してくれてたんだ。
「だからさ、
俺が…ちょっと寂しいって思ってること、絶対に覚えといてよ。」
『うん、絶対覚えとく。
…今度からは、ちゃんと仕事終わらせて早めにかえってくるね。』
「俺のために、ね。」
『分かってるよ。笑』
ごめんね、と分かったよ、の意味を込めてギューっと海人を抱きしめると、海人は”可愛い”、とまた呟いた。
『……ん？』
”可愛い”と同時に変な予感がして、後ろを見ると、私のTシャツの端をめくろうとしていた。
『海人の変態！』
「えー、なんで！」
『そういう目的で着たわけじゃありません。』
「ちぇ。
じゃあ、いつできんの？」
『直球……！？
……今日の夜、とか？』
「……。」
『わかりやすくニヤニヤしないの！』
「はぁい。笑」
私も海人が足りないって思ってることに気づいてた。
だから、今日はとことん甘えさせよう。
今日の夜は、少しだけ時間が早く感じた。
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作者名：菜緒 | 作成日時：2020年11月22日 15時
