いつもじゃない、いつも Kaito.Ma ページ25
私の夜のルーティンの最後は、
海斗の温めてくれた布団に入って寝ること。
『お邪魔します。』
「はい、どーぞ。」
海斗がめくってくれた布団に入って、海斗の隣に並ぶ。
今日は珍しくスマホで何かを読んでいた。
『何読んでんの？ニュース？』
「んー、電子書籍。」
『え、珍しい。
いつも本なら絶対紙って言ってたじゃん。』
「色んなとこ行ったけどなくて、諦めちった。」
『えー、なんて言う本？』
名前と作者を見せてもらうと、思わずあっと声が漏れる。
「なに？」
『これ、友達に先週貸してもらった。笑』
「え、まじ？」
『何なら今家にあるよ？笑』
「マジか！
先にAに聞けばよかった…。」
私と海斗は本当によく気が合う。
本棚に置いてる本、CD、雑貨、お互い合わせようなんて言ってないのに、気づいたら部屋に統一感があって、ビックリする。
まぁ、そんなとこも運命なのかなぁ、なんて思うんだけど。
『あ、ネタバレ禁止だよね？』
「もちろん。」
『じゃあね……、』
なにか言おうとすると、スマホを閉じて耳を必死に塞いでる。
こんな子供みたいな反応する？笑
『それ聞こえるでしょ？』
「聞こえてなーいですー。」
『聞こえてるじゃん。笑』
面白がってこういうことやっちゃうのも、いつもの流れ。
それでたまに睡眠時間削られてるのも、隠せない事実なんだよなぁ。
でも、それは幸せな睡眠不足だから、不満はない。
『言わないから、普通にして？』
「マジで？」
『うん、マジ。』
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作者名：菜緒 | 作成日時：2020年11月22日 15時
