ただ、あまい 【 るぅと 】

＃４ ページ5

.



学校を出た頃には 既に外は真っ暗



暗い夜道を 彼は道路側を歩いてくれて
ぎゅっと手を握ってくれる。


「 クレープ食べた後どうしますか？ 」


『 るぅとくん行きたい所ないの〜？ 』


いつも私に行きたい所連れて行ってもらってるし
たまには彼のワガママも聞きたい。


彼の足が突然止まって んん なんて唸り声を出す。


「 カラオケとか、だめですか…？ 」


部活の打ち上げで行ったことはあっても
彼と二人きりははじめて。


私は彼の歌声が好きでそこも惚れたポイントのひとつ
ラブソングなんて歌われたら惚れちゃうよねぇ。


『 るぅとくんの歌声聞けるの楽しみ。…でも、その前にお腹減った！！ 』


「 せんぱいの好きなクレープが待ってますよ 」


彼とデートの時は高確率で甘い物食べてる気がする


カフェのケーキだったりスイーツの食べ放題だったり甘い物大好きだからいつも彼を付き合わせちゃって少し申し訳ないんだけど……。


私達常連の駅前のクレープ屋さん

本当に美味しくて、いつもクリーム多めにしてくれるからすき。


「 今日もいつものですかー？ 」


『 いちごいっぱいのやつ、るぅとくんとはんぶんこ』


わざわざふたつ買うんじゃなくてひとつのをはんぶんこ

彼は私の食べかけがいいらしい。
そういう変態チックなのもまた、いい。




.

＃５→←＃３

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す