ただ、あまい 【 るぅと 】

＃２２ ページ23

.


あの後、彼はちゃんと家まで送ってくれた。


案外、楽しかった。


男の人と遊ぶなんてそう無かったし
可愛い1面が垣間見えてあっという間の時間だった。


家に帰っても、共働きの両親はいないし
テーブルには冷えた夜ご飯が置かれていた。


食べる気にもなれなくてひと休みでもしようかと
寝室に向かおうとした。


ピンポーン なんてインターホンが鳴るから
無視することも出来なくて 玄関を開ける。



「 何も言わずに帰るなんて酷いじゃないですか 」


そこには私服姿の 黄瀬琉兎 が立っていた。

誤りの電話入れようと思ったけど 何度掛けても出ないから もういいやってそのままだった…。

そして私服姿だとスタイルがよりよく見えて好きです


「 彼氏に隠れて別の男とデートですか？楽しかったですか？ 」


『 で、デートじゃない！！ 』


取り敢えず 外に立ったままにするのもどうかと思い
家に上がらせる。

慣れた様子でソファーにドカっと座り込む。
なんかすっごい態度でかい。


「 悪い虫がつかないようにって折角付けたのに、無意味でしたね 」


私の首元に着いた キスマーク

指でなぞって愛おしそうに顔を歪める。


「 可愛い先輩を僕だけのものにしたいんです。独り占めしたいんです。でも、いっつも邪魔が入るから」


頬にひんやりとした彼の手が添えられる。

肩がぴくりと跳ねてしまう。

こういう時の彼は目に光がなくて、冷たくて、まるでロボットみたい。


.

＃２３→←＃２１

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す