ただ、あまい 【 るぅと 】

＃２０ ページ21

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HRが終わり最後の挨拶をすると同時に
隣の彼に腕を掴まれる。

急ぐように教室から出て玄関へと向かう。

きっとるぅとくんに捕まらない為にだろう。
彼のことだもん。絶対二人きりじゃ行かせないって言うに決まってる。


「 まず腹減った。タピオカ飲みに行こ 」


意識してるのか無意識なのかわからないけど
私の手を掴んで離さない。


他の異性に触れられることなんて滅多にないから
あんまり免疫がなくて少し照れくさい。


「 あ、…。い、嫌だった…！？その、急いでて、強引にっていうか、気づいたらっていうか、」


『 その、ちょっと慣れないだけ 』


これじゃまるで付き合いたてのカップルみたいじゃないか。

彼は きっとツンデレという部類に入る人間だと思う

普段はつんつんしてて全然素直じゃないんだけど
よく照れるし優しい時は優しい。

今も顔を真っ赤にして 唇をとんがらせている。


『 っふ、…りんごみたいに真っ赤っかで可愛いでちゅね〜 』


「 うっせ。…かわいくねーし 」


パーカーのポッケに手を突っ込んで
真っ赤な顔を隠すように下を向いた。

真っ赤なお耳は隠れてないですよ。



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