ただ、あまい 【 るぅと 】

＃１０ ページ11

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甘い彼との時間はあっという間で
ほんの一瞬で終わってしまう。

昼休みの終わりを告げるチャイムがなり
慌てて片付けを始める。

その間も彼は私を抱きしめたまま。


「 僕があと1年早く生まれてたらなぁって最近思うんです」


どう頑張っても年の差だけは変えられなくて
彼より一年早く生まれてしまった、生まれてしまった自分を恨んだりする。

もし彼と同い年だったら、同じクラスだったらなぁ、ってたまに妄想するんだ。


「 ころちゃんはずるい。…ずっと一緒に入れられて羨ましいです 」


ぷくぅっと頬を膨らますから
ぷすっと指で潰す。

彼の可愛いわがまま

思い通りになることは無いけど
この時間があるだけで私は幸せだなぁ。


「 あ、今日外で体育受けてたでしょ？…ずっと先輩のこと見てた 」


彼は窓際の1番後ろの席らしく
グランドで体育を受けている私たちの姿がよく見えるらしい。

見られてるって思うとなかなか集中して
授業受けられないんだけど。



「 こんなこと言うの、僕らしくないかもしれないけど…。次の時間、一緒にサボろ？ 」



甘い誘惑に負けました。



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