キ ス フ レ 【 赤 】

３６キス ページ36

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最近の彼は少しおかしい

そんな彼にコロッとやられてしまってる私


チョロって絶対思われてる。
……くやしい。



「 またお悩み中ですかー 」


『 っわぁ…。……いつも悩んでる時に来るね 』


「 タイミングがいいんだよ。……今日珍しい服着てるね？ 」



私の顔を覗き込んでジロジロ爪の先っぽから頭のてっぺんまで舐めまわすように見てくる

すき って感情はなくても顔の整った人に見つめられるのはキュンとしてしまうものだ、だから離れて欲しい


「 Aちゃんは悩み多き女だから。僕だったらお話聞くよ？ 」


『 ……るぅとくんは何か悩みないの？ 』


「 Aちゃんからしたらちっぽけ過ぎて呆れると思うよ。悩みっていう悩みはないんだぁ 」


私が彼との関係の話をして、目の前の彼が誰かに漏らすとは思えないけど

そう簡単に口に出せるものでは無い


仲良くしてくれてるのに突き放されたりしたらもうここではやっていけない。



「 悩みの張本人にぶつけるしかないと思うけどね。口に出さないと伝わらないことってあるし 」


『 え、それはどういう… 』


「 Aちゃんの悩んでることなんて全部お見通しだよ。……莉犬のことでしょ 」


勘の鋭い奴ばっかだ

そんな場所で生き抜くなんて無理だ



でも、私の口は思ったより固い


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