キ ス フ レ 【 赤 】

３０キス ページ30

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今日の彼は少し不機嫌なのかもしれない

家に連れ込まれるなり寝室のベットに投げ捨てられた


こんなに乱暴にされたの初めてだ。
酷いとは言え何だかんだ優しくしてくれたりするのだ。


「 ……Aはさ、俺のこと好きなの 」


『 その質問は、どういう意味ですか 』



手首にグリグリと爪が食い込む

痛くて涙が滲む、……この人は私をどうしたいの



「 素直に答えて 」


『 ……す、きだからっ、今ここにいますっ 』


「 ……そ。……Aと居ると頭痛くなる 」


キッ と私を睨みつけて首をガブッと噛まれた

痛い、これじゃ本当に犬みたいじゃないか
手に負えないヤンチャなわんちゃんみたい



『 いたいっ、です 』


「 ……嫌なら叫ぶなりすればいいのに 」


やんわり笑みを浮かべた

……拒絶できなかった、必要とされて感情をぶつけられて嬉しいって思ってしまってるから。

ここで突き放したらきっと今の関係が崩れると思った
それだけは怖かった、まだそばに居たかった


「 怖くないの？ 」


『 ……莉汰くんは、…やさしい、から 』



酷いこと言ってもぐちゃぐちゃに傷付けられても

突き放しはしないから


なんだかんだ言って
優しく隣に置いてくれるから


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